寝室【教授との夢】

□Bath room
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夜遅く、ヒナが寮へ帰って行った後、スネイプはローブを羽織り部屋を出た。

暗く長い廊下に規則正しい音を響かせながら足早に歩く。



ダンブルドア校長の部屋の前でピタリと止まり、スネイプは嫌々そうに


「ミタラシダンゴ・アンダンゴ!」


と小さく言った。


(どうせヒナが校長にあげた菓子か何かだろう!校長は日本贔屓だからな)


階段を上って校長室に入ると


『おおセブルス、こんな夜更けに一体どうしたのじゃ?』


ダンブルドアは噛み付きキャンディーと楽しそうに格闘していた。


「実は地下の我輩の私室を少々増築したいと考えておるのですが…」

『ほう?薬品庫が手狭になってきたかの?』

「いえ…そうではなくて」


そう言いながら両手を合わせてもじもじして、なかなか本題に入らないでいるスネイプに


『ではなんじゃの?』


一瞬校長に相談するのは間違ったか?と思ったが、


「ふ…風呂を作ろうと思いまして」

『何?風呂じゃと?セブルス』

「…はい」

『セブルスの口から風呂が出てくるとは珍しいのう…それに風呂なら教職員用のがあるじゃろう?』

「いや…まあそうなんですが…」


ダンブルドアは何かを思いついたかのように眼鏡の中の目を細め


『セブルスがのぅ…風呂をのぅ…ふむ』


ニヤリとしながらひげを上下に撫でる。


(くっ…この髭狸…何考えてるんだ?)


「り、理由はですね校長、生徒が我輩を〈薬品臭い〉やら〈ネットリ髪先生〉やら陰口を言うので…」

『ほうそれは酷いのう…』

「だから風呂には入らないとと思いましてな…」



ダンブルドアはスネイプをじっと見つめ、たっぷりと間を置いて


『ふむ…良かろう。明日の夕方にでも妖精に作って置いてもらうとしようかの』

「あ、ありがとうございます…」


(はぁ…何とか言及されずに済んだな)


安心した面持ちでローブを翻し部屋から出て行くスネイプの背中に向かってダンブルドアは


『明日の夕方をお楽しみにの!』


と投げかけ、ドアが閉まった後


『セブルスが風呂など…あやつ恋をしておるのじゃな…あいた!』


噛み付きキャンディーに指を噛まれたが、指ごと口の中に入れる。


『そしてその恋のお相手は…きっとあの子じゃろうの…フォッフォッフォ』


ダンブルドアは良い事に気が付いたとばかりに笑顔になり髭を撫でた。


『明日が楽しみじゃのう…セブルス…さて、妖精に仕事をお願いせねば』


ダンブルドアはパチンと指を鳴らして妖精を呼び寄せた。










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