寝室【教授との夢】

□Reverse trip?!
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深い溜息と共にパンフレットを閉じ、ヒナは風呂の準備を始める。

キッチンにある自動給湯のタッチパネルを操作し、浴槽に暖かい湯をはる。



着替えを用意するのにリビングから出る時に、

テレビの横の棚にあるスネイプのポスターやフィギュアに話しかける。

これはヒナの日課だった。


「セブ…本当に…もう会えないんだね…」


ポスターの中のスネイプは堂々としている。


「もういくら待っても会えないんだね…」


フィギュアのスネイプの頬に触れる。


「アクシオでこの世界に呼べれば良いのにな…アクシオセブルス…なんて」








…バッシャーンッ!!…ゴンッ!!!








その時、風呂場でもの凄い音がした……


「Σ…えっ何々?何か落ちた??」


ヒナは驚いて振り向いた。


「浴室乾燥用の物干し竿?いや、あれは絶対落ちない…え?え?」


ヒナはおそるおそる浴室に行き、ドアをそっと見る。

磨りガラス越しではハッキリ物は見えないけれど

黒い大きいものが浴槽の辺りを埋め尽くしてる様に見える。




「何…アレ?」




黒い水なんて有り得ない。

怖い!


「何何?アレ何なのーー?!」


ヒナがへっぴり腰でドアノブに手を掛け、

ドアをゆっくりゆっくり押し開ける。







黒い布が浴槽の中でたっぷりと揺れている。

でも、風呂場の外からでは全貌は見えない。


(ハァハァ…もう何アレーーっ!!)


片足だけ伸ばし風呂場に入る。

ヒナは口が大きく開き、顔がもうこれ以上伸びないという位伸ばして覗く。

そこで目に入って来たモノは……






紛れも無い、ヒナがずっと恋していたセブルス・スネイプ本人…。





しかもスネイプが浴槽に浸かって眠っている…?





〈オフロガ、ワキマシタ…〉





自動給湯パネルからお知らせが風呂場に響いた。





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