寝室【教授との夢】

□Stroll of starry sky
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「ス、スネイプ先生…」

『夜中にこんな所をうろついているのは関心しませんな…』

「あ…はい、スネイプ先生…すぐ部屋に帰ります」

『箒など持って…それはポッターのでは?』

「…はい…今日ちょっと借りたんです、先生…」



『今日も、だろう?』



「!!」

『ここ一週間程ですかな』

「……すみません」



(一週間も前から?知ってて何で叱らなかったんだろう…。も…もしかして罰を多く与える為??)



『箒乗りの練習をしていたのだろう?』

「……はい」

『何処かへ飛んで行って落ちでもしたら危険だから我輩が見ていてやる』

「えっ?!」

『早くしたまえ』

「はっはい!」


ヒナは箒を手に呼び寄せると柄をぐっと握って跨ぐ。

やっぱり怖い。

ブルブルと足が震えてしまう。


『怖がっていると箒に舐められるぞ』

「わ…分かっているんですけど…怖くて」


先生にもじろじろ見られてるし箒は怖いしでどうにも集中出来ない。


『…地面を蹴るだけだろう?』

「うううー…」

『……』

「ああっ!やっぱり怖い!私はもう駄目なんだ!箒には一生乗れないっ!」


箒を跨いだままヒナはドサッと芝生に座り込む。

スネイプは腕を組みヒナを見下ろして


『またクラスメイトに馬鹿にされますぞ?』


「そんな事分かってますよぉ!……って…何でスネイプ先生がその事知ってるんですか?」

『Σっ!…………み、見ていたからだ///』


咳払いをしながら小さく呟く。


『たまたま箒の授業の時通り掛かった…』

「あ…そうだったんですか…」

『さあもう一回やりたまえ!』

「でも…怖い」

『恐怖を克服しなければ乗れん。皆そうして乗っているのですぞ』

「っ…分かってるけど…!…そ、そういうスネイプ先生は乗れるんですか?!」



『Σっ…我輩は……箒は苦手だ…///』



「えーーーっ?!じゃあそんな偉そうに色々言わないで下さいよ!」

『なっ!貴様!』

「じゃあスネイプ先生も一緒に乗って下さい、それなら頑張れるかも」

『なぜ我輩が貴様の練習の当てになど!』

「じゃあ…もう良いです、部屋に帰ります…おやすみなさい」


がっくりとうな垂れて、もう一生乗れないんだ…とブツブツ言いながら帰ろうとするヒナを


『…分かった。少しだけだぞ?』


満面の笑みで振り返るヒナをスネイプは少し愛らしいと思った。





まずスネイプが箒の後ろの方に跨り、ヒナがスネイプの股間に入るように跨る。

スネイプは自身にヒナの尻がぐいぐいと押し付けられるのがどうにも戸惑ったが

極力気にしないように箒に集中した。


「じゃ…じゃじゃじゃじゃあ飛びます…です…」


緊張に緊張を掛けた様な表情でヒナはガクガクと震えながら言う。


『ゆっくり地面を蹴るんだ』


ヒナはトン…と地面を蹴る。

箒は二人を軽々持ち上げゆっくりと地面から離れて行く。


「あ…!スネイプ先生っ…これって…」

『ああ…浮いてるな』

「やった!凄い!!出来たー♪」

『はしゃぐのは良いがちゃんとコントロールせねば』

「あ…はいっ!」


つい先程までガクガクと震えていたヒナだったが、

いざフワリと浮いてみるとその浮遊感で気持ちが良くなり、今度は感動で体が打ち震えた。


「スネイプ先生!湖の方まで行ってみたいです!」

『ああ、好きな所へ行ってみろ』


箒の上からの湖の景色は素晴らしいってクラスの皆が言っていた。

いつか飛べたら行ってみたいと思っていた。

スネイプ先生が後ろに居てくれる心強さもあって、ヒナは何処までも飛んで行けそうだった。




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