寝室【教授との夢】

□Nursing
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髪の毛を梳いてやりながら


「何か食べたいものや、して欲しい事はあるか?」

『んー…塩粥が食べたい…』

「ふむ…シオガユ…」

『お米をふやかした様な物です。お塩で味付けて…私が風邪を引くと母が作ってくれたんです』

「少し待っていろ……」


寝室の隣の小さな台所に行き杖を振って料理をする。

塩は少しだな…。味見をせねば。


「Σあっ…つ…」


火傷してしまった…。だが味はこんなところか…。


「ヒナ、出来たぞ」

『ありがとうございます…わぁ!ちゃんとお粥だ…スネイプ先生は何でも出来るんですね』

「まあ…作り方は今ヒナに教わったしな、これくらなら誰でも出来るだろう?」


ヒナを起こしてやり銀の匙にすくい冷ましてやってから食べさせる。


『…美味しい…』

「それは良かった…他には何かあるか?」

『ご飯食べたので歯を磨きたいです…』

「今洗面所に歩いていくのは辛いだろう?」

『でも…』

「では我輩が磨いてさしあげよう」


洗面所から新しい歯ブラシとコップ、洗面器を取りベッドに座りヒナを両足の間に座らせる。


「ヒナ、口を開けて」

『え…自分で出来ます///』

「いいから我輩に任せろ。動くと体に障る…それに普段お転婆なヒナが弱っているのも珍しい…人形を扱っている様だ」

『そ、そんなこと言わないで下さい!そんなにお転婆じゃ…///』

「ふ…では我輩の綺麗なお姫様、口を開けて頂けますかな?」


我輩の胸を枕にしたヒナの小さく開いた口に歯ブラシを入れ上から覗き込む様にして優しく磨く。

熱で辛いのか恥ずかしいのか、ヒナは目を瞑りされるがままになっている。

口を濯がせまたベッドに寝かす。


「食事を取ってくれたのは良かった。明日にはいつも通りのヒナになっているだろう」

『……はい』

「我輩は向こうのソファで本でも読んでいるから、何かあったら呼びなさい」

『スネイプ先生…』

「何だ?」




『一緒に…寝てくれませんか?』



「!!…そ…それは…何というか…まだ早くはないかね?」

『添い寝してくれるだけで良いんです…』



「…そ、そうか…では向こうの部屋を片付けて来るから少し待っていてくれ…」



寝室の明かりを暗くしてから机に戻り本や羊皮紙を片付ける。

ローブと上着を脱ぎ椅子の背に掛ける。

寝室に戻るとヒナは苦しそうに息をしながら眠っていた。


「ヒナ…可哀想に。辛いだろう…」


額の汗を拭ってベッドに入る。

横で眠る小さなヒナを優しく抱き締めると


『スネイプ先生…』

「ああ…起こしてしまったか」

『隣に居てくれて嬉しいです///』

「我輩も嬉しい」

『きっと良く眠れそうです…』

「ぐっすり眠るのですぞ…明日には良くなってる」

『…もうちょっと風邪引いてたいなぁ…』

「何を言う!」

『だってそうしたらスネイプ先生と眠れるから///』

「…うむ…それは魅力的だが、やはりきちんと治さなければ」

『はぁい…』

「ヒナはこれから何時だって此処に来ても良いのだ…そうすれば一緒に眠れる」

『え…はい…じゃあ今日はちゃんと寝ます』


ヒナは微笑むと我輩の腕を枕にして二、三度頬を摺ると静かに眠りに落ちていった。




「ヒナ……好きだ」




ヒナが我輩を好きになってくれて本当に幸せだ。


世話を焼いてあげるのも嬉しい。


我輩はこれからヒナをずっとこうして守って行けるのだと想うと笑みが零れる。


明日からは素敵な毎日が待っていることだろう。


我輩ももう眠ろう…早く明日が来る様に。


早くヒナが元気になる様に。




「Good Night ヒナ…」





END
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