客間【アランさん他…の夢】

□From mistakes…
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ロンドンのヒースロー空港に到着し、ホテルに向かう。

チェックインの後、マネージャーとホテルの下のレストランで食事をする。

マネージャーは大きなステーキをナイフで切り分けモリモリ食べながら


『ヒナはアランさんに襲われる…あれ?殺される役だったかな…まあ日本人役だから言葉も分からず怖がる演技してれば良いのよー』

「えー…そんな簡単そうに言わないでよぉー」


ヒナは不安いっぱいで皿に山盛りになったポテトをフォークでつつく。


『あ、そうだ私明日社長に頼まれた別の用事で一緒出来ないから…』

「Σええっ?!何で??私英語出来ないって言ってるのに!!」

『大丈夫よ!ヒナ少しは話せるんでしょ?何とかなるって!!』

「そ…そんなぁ〜!!私のマネージャーでしょぉー!?」





部屋に帰ってベッドに倒れ込む様に横になる。


「もう…お風呂は明日朝起きてからで良いや…」


でも、明日の撮影の事をついつい考えてしまって眠れない。

しかもマネージャーもいない、一人で撮影に挑まなければならない。

言葉も通じないし、初めての海外だし…もう本当に不安でしょうがない。


「もう、帰りたいよぉー!!」

「でもダメ!…アランさんに会えるんだから頑張らないとだよね…」


撮影は明日の午前中から。

ヒナは端役の為、拘束時間は短いらしい。




悶々と考えて、結局まんじりともせず夜を明かしてしまった。


「眠い……でもお風呂入らなくちゃ…アランさんに会うんだし」

「って、私何言ってるの///それじゃ私アランさんとどうにかなるみたいじゃないっ」


ヒナはゆっくりシャワーを浴び、軽く化粧をして、レストランで朝食を取った。

ロビーに出ると女性に声を掛けられる。


『ヒナ・アメミヤさん?』

「は、はい!」

『スタジオからお迎えに来ました。私は今回の撮影スタッフです』

「あ、今日はよろしくお願いいたします!」

『こちらこそ!ちょっと大変な撮影になると思いますが頑張りましょうね』

「?…ええ、頑張ります!」


ヒナは笑顔で答えスタッフさんが乗ってきた大きなワゴン車に乗り込む。






撮影スタジオに到着すると沢山のスタッフに迎え入れられた。

皆笑顔で歓迎してくれた。

日本語で挨拶してくれた人も居て、ヒナは少しホッとした。

とりあえずアランさんに挨拶しようとスタッフさんに聞く。


「あの、アランさんはいつ頃いらっしゃるんですか?」

『あぁ、アランならもう控え室にいるわよ』

「えっ?もういらっしゃってるんですか?どうしよう、端役の私の方が早く来ないとなのに…」

『いや、ヒナさんにわざわざ来て貰うんだから早く来ないとねって言ってたのよ♪』

「ええー!そ…そんな楽しみにされても困る…かも」

『はは!ああ…そこの部屋がアランの控え室だから』

「はい、ありがとう御座います。ちょっとご挨拶してきます」

『じゃあヒナさんの控え室で待ってるからね!ごゆっくり…』





コンコン…



アランの控え室のドアを控えめにノックする。


『どうぞ!』


低い声が響く。

ゆっくりとドアを開け一歩入り


「は、始めまして!アラン・リックマンさん、日本から来たヒナ・アメミヤと言います。今回はご招待頂き有難う御座います!」


お辞儀をしながら挨拶をする。

アランは椅子にゆったりと腰掛けてヒナをみると急いで立ち上がり両手を広げて歩いてきた。


『ようこそ!長旅大変だったね…来てくれて本当に嬉しいよ』


言いながらヒナにギュッとハグをする。

ハグになれてない日本人のヒナはドキドキで顔も真っ赤に染まる。

アランの腕からやっと開放されてヒナは見上げると、アランは満面の笑みで


『ヒナ!会えて嬉しいよ。君のCMがとても素敵でね…是非一緒に仕事がしたかったんだ』


ヒナが英語が良く分からないのを知ってるからか、アランはゆっくりと話す。


「え…ええ私も嬉しいです!ありがとうございます」

『今日はよろしくね?撮影はちょっと大変だろうけど…私も無理しないようにするから』

「大丈夫です!私精一杯頑張りますのでっ!アランさんとお仕事が出来て光栄です」


アランは少し驚いた様な顔をして、また優しい笑顔に戻った。


『う、うんよろしくね』

「では失礼します…また撮影の時に」

『じゃあね』


ヒナはまた小さくお辞儀をして控え室を出た。





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