客間【アランさん他…の夢】
□desire to monopolize
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「ねえヒナ、そろそろ休憩にしてお茶でもどうだい?」
いつもの様にお茶に誘う。
『はい、ルーピン先生』
「ソファに掛けて。いつもティーバッグで悪いけど、味は良いだろう?」
『はい!頂きます』
ヒナは何度かふぅふぅと息を吹きかけるとカップに口を付けた。
小さな可愛らしい唇が口付けるカップと自分の唇をつい置き換えて妄想をしてしまう。
無意識に喉がゴクリと鳴る。
『美味しいです!』
「…それは良かった!チョコレートもあるんだ。疲れが取れるよ」
大きな板チョコをポキポキと折って白い皿に入れる。
「本当はヒナには高級なチョコを食べさせてあげたいけど、コレくらいしか買えなくてね」
『いいえ!ルーピン先生のくれるチョコはとっても美味しいです』
「…ヒナは優しいね…」
『いえそんな///』
その優しさを他には誰に見せてるんだい?
チョコレートを一口齧り、ゆっくりと歩きヒナの隣に座る。
重みでソファが沈み、重心が傾きヒナが自然とこちらに寄り掛かる状態になった。
『わぁ!ごめんなさい///』
「ふふふ…いいよ。このソファもオンボロだからね」
『うふふ…でも面白いです』
「そうかい?……ところで…ねえヒナ」
『はい』
ティーカップをテーブルに置き、そろそろ本題に入る。
「…君、ハリーと仲が良いみたいだね…」
『え…?』
「昼間の授業中にコソコソ話してるのを見たよ?」
『あ…すみませんでした!…でも授業内容はちゃんと覚えていますので…』
「それはいいんだけどさ…何を話していたのかな?」
『え…えっとえっと…授業の事…です』
…嘘だ。
ヒナが私に嘘をついた…。
何で本当の事を言えない?
「アレは隠すような内容だったかな…確か守護霊の話だよね」
『!…聞こえて…?』
「ヒナはハリーに可愛いって言われて嬉しかったんだ?…隠すって事はさ…君達恋人同士なのかい?」
『ちが…っ』
イライラする…。
「ねえ、嘘はつかないでよ?今の私はそういう事にとても良く鼻が利くんだ」
『…ルーピン先生?』
「ヒナはハリーが好き?」
『え?何でそんな事…』
「私がヒナにいつも此処へ来て貰ってるのはどうしてだと思う?」
『…お手伝いをする為…です』
ヒナ…君はなんて鈍感なんだろう…。
駄目だ…今日は本当にイライラしてしまう…。
「違うね。私がヒナを好きだからだよ?」
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