TOX-B
□姫様の仰るとおり
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* R18なので18歳未満(高校生)の方と、ジュードくんが女装しているのでそういったものが苦手な方も閲覧をご遠慮下さい。ちなみに拍手お礼の「学園パロ3」の続き、という設定です。
いよいよ学園祭が迫って来ると「恥ずかしい」と文句を垂れる余裕もなくなり、ジュードは持ち前の集中力で毎日劇の練習に明け暮れた。
学園祭当日。禁断の恋に燃えに燃えた王子様とお姫様が、最後にはなんと手に手を取り合って逃避行―――なんて、相変わらずシナリオははちゃめちゃであったが、それでも気合いと努力が十二分だった二組の舞台発表はジュードとミラの熱演もさることながら、精巧な舞台セットや衣装、こだわり抜いた照明や音響の甲斐あって拍手喝采のうちに閉幕した。
「お疲れさん。」
出番を終え、着替えのために一旦講堂を出ようとしていたところを呼び止められて振り返ると、ちょうどアルヴィンが階段を降りてくるところだった。
「アルヴィン―――」
おっと、校内で呼び捨てはまずい。
「せ、先生……上から見てたんですか?」
「そ。一番よく見えるからな」
どうやら、今日は一部生徒と教職員以外の立ち入りが禁じられている二階の回廊から自分達の舞台発表を見てくれていたようだ。
みんなよくできていたと褒めてくれたアルヴィンは、改めてジュードの格好を上から下まで眺めるとぷっと吹き出す。
「何よりお姫様がはまり役だったしねぇ……しかしその服もすごいな」
「あ、あはは……これはイバルを褒めてあげて下さい。すごく頑張ってましたから」
「ああ、そういやあいつも二組だっけ……」
二年生のイバルは『ミラ様親衛隊』―――これに男女問わずかなりの人数が所属していると聞き及んでいる―――の隊長として、この学園ではミラの次に有名人である。
衣装作りを自ら買って出たイバルは敬愛するミラにとびきり豪奢でカッコイイ王子様の衣装を仕立てた。一方、いつもライバル視しているジュードのものは適当に済ませるのかと思いきや、「仮にもミラ様のお相手がみすぼらしいなど、あってたまるか!」ということで、同じく丁寧に作ってくれたあたりが実に彼らしい。これがまた本当によくできているのだ。サイズもぴったりだし、いくらジュードがミラよりも小柄とはいえ、やはり少々違和感があった肩幅は大きめのパフスリーブでごまかされるようになっていて、腰回りもハイウエストのリボンできちんとカバーできている。色は赤を基調にした、ちょっとばかり派手なデザインだが舞台映えは相当良かったはずだ。
「今から着替えに行くのか?」
「はい。さすがにちょっと寒いし……」
「じゃあセンセーと遊んであったかくならない?」
「…………はい?」
にこっと笑ったアルヴィンにがっちりと腕を掴まれて、ジュードは瞬時にその意味を理解した。なんとか笑顔のまま小首を傾げてとぼけて見せ、何も聞かなかったことにしようとしたのだが、アルヴィンはジュードをどこかへ連れて行こうとする。
「! ちょっと待って、本気で言ってるの……!? いやだよ!」
「『嫌がるお姫様を無理矢理』ってシチュエーションも燃えるな」
「へんたいだっ!」
「何今更なこと言ってんのー」
「ひ、開き直らないでよ……」
「はいはい。あんまり騒ぐと誰かに気付かれちゃうよ」
引き摺られるようにして階段を上がり―――さっきまでアルヴィンが二階にいたのは劇がよく見えるからという理由だけではなかったようだ。廊下の突き当たりにあるリネン室の鍵は既に開けられていて、そこに放り込まれ、大きな体で隅に追い詰められてしまうと逃げ場なんてどこにもなかった。こんな格好のまま、こんな場所で情事に及ぶなんてとんでもない事だが、さすがにアルヴィンを殴ったり蹴ったりするのは躊躇う。そこに付け入られているのだとわかってはいるのだが、困ったことに彼に触れられること自体はとても嬉しいのだ。
「お姫様……」
「あ、あああのっ……アルヴィン、帰ってから……」
「お家に帰ったらさせてくれるの?」
その場しのぎでもいいと思いジュードは何度も頷いたが、既にドレスの裾から侵入して太ももに指を食い込ませていた手は止まらなかった。
「んー……やっぱり今がいいな。お姫様、いやらしい顔してる」
「してないっ……ん、んン……ッ」
インナー越しにジュードの下腹部に触れたアルヴィンは、容赦なくそこを揉みしだく。強い刺激にぞくっとして背がしなり、そうなってしまうともう抵抗できなかった。途中でやめるなんて、そんなことはできない。
学園祭の準備で忙しい間中ずっと、ジュードもアルヴィンに触れたくて……触れて欲しくて、堪らなかった。
「かたくなってきた……」
「う、ぁ……も―――」
「ん?」
「っ……ち、直接、触ってほし…い……」
幾重ものチュールレースに覆われたジュードの胸元に顔を埋めていたアルヴィンがくすっと楽しそうに笑った。
「触って?」
「え……」
「どうされたい??」
するりとインナーの中へ入ってきたアルヴィンの手にそこをきゅっと締め付けられて、ジュードは肩を跳ね上げる。気持ちが高ぶると、何故かその度に涙が溢れて来て止まらなかった。
「ん、アルヴィン……っも、もっと……」
「これでいい?」
「あ、ぁ…あ……ッ」
緩急をつけて揉まれると確かに気持ち良かったが、本当にその動きだけを繰り返されて、それもだんだんともどかしくなってくる。ジュードが思わず髪を振り乱すと、白い造花があしらわれた髪飾りが取れて床に転がった。
「ほら、お姫様にはご命令していただかないとなあ……」
「や……いや……っ」
「イヤ? やめる??」
「ち、違う……あ、アルヴィンの好きに―――」
アルヴィンの好きにして。そう言い終わる前に、逞しい腕によって抱き上げられたジュードの体はシーツ類が綺麗に畳んで重ねられている上へそっと横たえられた。福祉科の生徒達が授業の一環として行うベッドメイキングで頻繁に使用されては洗濯されているため、シーツからはふわりと洗剤の香りがした。
そこへ覆い被さってきたアルヴィンは白衣を脱ぎ捨て、ネクタイを弛める。
「持ってて」
当然のように膝の裏に手が掛かり足を持ち上げられると、ドレスの裾が広がって邪魔にならないよう両手に握らされた。まるで自ら見せ付けているかのようなその格好に、首元から顔に掛けてがかっと熱くなって頭がくらくらする。
「! ふ、ぅっ……や、ぁ!」
アルヴィンの吐息が内股に掛かり、ジュードは嫌な予感がして戦慄いた。しかし好きにしてと言った手前やはり抵抗できずに、来たる快楽を待ち受けるしかない。
「かわいい、ジュード……」
「ん、ンんっ……!!」
恭しく足の付け根に口付け、アルヴィンがジュードの下腹部に舌を這わせる。そしてそのまま、彼の口内へゆっくりと導かれた。
「うあ、ぁッ、アルヴィン……」
堪らず身を捩ろうとすると逃がさないとばかりに腰を掻き抱かれ、ジュードの足が宙を掻く。
指でも扱かれながら、先端を強く吸われた瞬間脳裏が真っ白になった。
「あッ、あぁっ!! も、離して……!」
その巧みな舌の動きに翻弄されるがままアルヴィンの口の中へと出してしまった。慌てて上体を起こしてみると丁度それがごくりと嚥下されるところで、ジュードは「ああ、見るんじゃなかった……」と後悔する。
「飲まないで、よ……」
「何で? おたくいつも俺の飲んで―――」
「!? わあぁーッ! あー! も、そういうこと言わなくていいでしょ! 恥ずかしいなっ」
自分がアルヴィンに口淫を施すことだってあるし、その最中は確かに愛しいと思う気持ちでいっぱいになって、飲んであげたいとすら思うわけだが、それを改まって言う必要はない。そう思ってアルヴィンを睨むが、彼は口の端を舐めながら薄ら笑うだけだった。
「もっと恥ずかしいことだってしちゃうのにねぇ、お姫様は」
「……叩くよ?」
「へいへい」
全然本気にしていないアルヴィンは「ゴメンね?」と言いながら、ジュードの機嫌を取るためにくすぐったくなるようなキスを顔中に降らせてくる。それが段々と犬に一生懸命顔を舐められているような気持ちになって「しょうがないなあ……」なんて言ってしまうのだから、自分も相当甘い。
アルヴィンの手がまたジュードの足をたどり、しかし今度は先程触れていた場所よりも更に奥へと指を伸ばされた。
「こっちまで濡れてる」
「だから、言わなくてい―――……んンっ」
体内へと指が滑り込んで来るのと同時に、耳にも舌を這われる。くちゅくちゅと、わざと派手な音を立てられると余計にいやらしい気分になり、ジュードは熱に浮かされつつも必死にあられもない声を抑えようとしたが、ほとんど無意味だった。
「ジュード、もっと足開いて」
「え、あ……こ、こう?」
「満点。さすが優等生は違うな」
言われた通りにドレスを更にたくし上げて、足を開く。アルヴィンがからかうような口調で囁いてくるのにすら感じてしまい、ジュードは指を次々と増やされてもただ気持ちが良かった。
「あ、あぁっ……アルヴィン…あー……っあ、ん!」
「これだけでイっちゃいそう」
「や、やだ……一緒が、い……」
ひとりだけ達するのは嫌だと懸命に訴えると急に中から指を引き抜かれて、その感覚にまたぞくぞくと震えているうちに、今度はアルヴィンの熱がひと息に奥まで突き上げてきた。
「ひッ―――…! う…あぁっ、あー……!」
「悪い……っ」
あまりの性急さに混乱するジュードを見下ろし、アルヴィンは余裕無さげに荒い息をつきながら謝った。しっかりと腰を抱く腕にはますます力がこもり、より深く中を押し広げられる。
「あ、ぁッ……ん! アルヴィン…ア、ル……ああぁっ、あ!」
ジュードは再び絶頂に達し、その最中にも幾度か激しく突き上げられた後、不意にアルヴィンが体を引き離した。直後にジュードの足に熱い飛沫が降り掛かり、外気に触れたそれが少しずつ冷えながら流れ落ちて行く感触に、ふと寂しさを覚える。彼が自分を気遣ってくれたのはわかったが、いつもみたいに中に出して欲しかったな……と、そこまで考えて、自分の浅ましさに恥ずかしくなった。
「ん……どうしたの、何か足りないって顔してる」
「ち、違うよ!」
「ふ〜ん……そ? ま、これ以上は下校時間過ぎちまうし……続きは帰ってから、な。」
こめかみのあたりに口付けながらアルヴィンがそう言って笑う。
そうだ、ここはまだ学校の中だった。今日は二組の舞台発表が最後だったので、皆はもうとっくに解散してしまったのだろう。耳を澄ましてみても、誰かがマイクを通して喋る声や、音楽等は一切聞こえて来なかった。
「ねぇ、鍵閉められちゃったらまずいよ。それに、僕捜されてるかもしれない……」
「だぁい丈夫。ミラに『ジュードくん借りてくから』って言っといたから。鍵も、非常口は内側から開くしさ」
「…………。」
いつの間に仲良くなったのか、最近アルヴィンはミラに変な入れ知恵ばかりしているし、ミラはミラでそれが面白いといたく気に入っているようで、アルヴィンの頼みにはやけに協力的だ。まさか自分との関係までぺらぺら喋ってはいないだろうが―――いや、ジュードがそう思いたいだけなのかもしれない。教師なのにそれで良いのかとちょっと心配であった。
まだいちゃいちゃしてたいよーとか、馬鹿なことばかり言うアルヴィンを無視して講堂の裏側に設けられた非常口からこっそりと脱出する。するとそこにはジュードの通学鞄と、制服が無造作に詰め込まれたトートバッグがぽつんと置かれていた。ショッキングピンクのチェック柄をしたそれは、間違いなくミラがいつもサブバッグとして愛用しているものだ。
「おお、ミラ様気が利くね〜♪」
悪い先生アルヴィンが笑う横で、ジュード姫ががくりとくずおれたのは言うまでもない。
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2011/11/27
アルヴィンが襲い掛かってもフルボッコにされないことこそがジュードの愛情の証。
や、もちろん話が違えばアホヴィンがマジで無理矢理もとてもイイと思います!←
…でもうちのサイトでそんな需要があるのかな。また教えて下さい…笑
ミラ様は「二人は仲良しだ」くらいにしか思ってないんじゃないか、な…? 多分。
いつもよりえろは頑張った。と、思います!(ぇ)
リクエストありがとうございました…! 少しでも萌え供給できていたら幸いです…!!
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