long dream
□君に届け 1
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HRの終わりを告げるチャイムが鳴り、私は席を離れた。
『あの、山村君』
「ん、なんや?」
朝の謝罪とお礼をするべく、山村君に声をかけた。
『朝はごめんなさい。桜で前が見えなくって。あ、後ありがとうございました!入学式早々、制服が汚れなくてすみました、なんて」
「あはは、橋本、面白い奴やなあ。ええんや、気にせんといて。・・・俺、橋本と話せて嬉しいしボソッ」
『ん?ごめんなさい、最後なんて言いましたか?』
「何でもないよ。あ、敬語つかわんくてええし、俺のことは隆太って呼んで」
『じゃあ、私のことも奈央で』
「おう!あ、授業始まるで」
急いで自分の席へ戻る。
でも、私の視線は隆太に向けられたままで―