long dream
□君に届け 2
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入学式の次の日、今日から普通に授業が始まる。
通学路を歩く私の心は躍っていた。
『学校に行けば、隆太に会える!』
そう呟きながら歩いていた。
後ろに本人が居るとは知らずに。
***
「嘘やろ・・・」
俺はそう呟いていた。
俺の目の前には、愛しい人。
といっても、残念ながら彼女ではないが。
しかしその彼女が、俺に会える!なんて言っている。
今日も昨日と同じ時間に家を出ると、やはり奈央を見かけた。
どうやら俺は、恋をしてしまったらしい。
昨日の朝、ぶつかった瞬間からだ。
一目惚れ。
奈央は、息が止まりそうなほど美しかった。
制服が同じだから、当然同じ学校。
名前を聞いてから立ち去ればよかったものの、そんな勇気は無かった。
それからは、奇跡と言っていいだろう。
同じクラス、同じ趣味、・・・同じ好きな人!?
さっきの奈央の呟きは俺の勘違いなのだろうか。
そうではないと、信じたい。