novel

□ギルドの愉快な掟G
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太陽が私達の大切な場所、フェアリーテイルをキラキラと照らす。
優しい風は頬を撫でる。
そんな穏やかな日のこと。

いつもと変わらないギルドを一変させたのは、ミラさんの遊び心から生まれた一言だったんだ。



「みんな聞いて!フェアリーテイルの新しい掟を考えてみたの!」

「掟?」

「なんだなんだ?」


ガヤガヤ…


ギルドにいるみんなが一斉に騒ぎ出す。

またミラさん、何かやらかすつもりね。
あたしはこう思いつつも、その掟というものが何なのか少し気になっていた。


「まずは絵で説明するわね」


キュッキュッ


ミラさんがペンを走らせる。


「はい!」


ミラさんが満足げに見せてきたのは、まるで子供がふざけて描いたような絵。


「…」


そんな絵を見せられたあたし達はみんな同じ反応。


「絵にした意味あるかしら!?」

「ミラちゃん、掟ってやつの説明を…」

「分かったわ。口で説明するわ」


少し不満げなミラの応えに、魔人ミラジェーンの姿が浮かんだらしいみんなは揃って顔を強ばらせた。
もちろんあたしも。


「でね、新しいギルドの掟っていうのは…、自分と相手のギルドマークを合わせることによって、絆を深める!というものよ」

「…」

「いいじゃねぇか!燃えてきたあぁ!!」

「あい!楽しそうです」


桜色の髪をした少年が叫ぶ。
それは紛れもなくナツだ。
そして、その隣にいるのがハッピー。


「でもよぉ、絆を深めるってだけなんだろ?その後どうすんだよ」


眉間にシワを寄せながらそう尋ねる半裸の男はグレイ。


「てかグレイ服!」

「うぉっ!!?」


グレイが半裸でいる事をあたしが指摘すると、グレイは上着を取りに行った。


「そうね…。その後は考えてなかったわ…」

「絆を深めることによってチームワークが良くなり、クエスト達成率がさらに上がるんじゃないかな?」


サングラスをカチャリと直しながら答えた男はロキ。
彼は星霊魔導師のあたしの星霊で、黄道十二門のリーダー。

…ってロキ!?


「ロキ!あんた何でいるのよ!」

「ルーシィに会うために理由がいるかい?大丈夫。僕の魔力でゲートを通ってきたから心配ないよ」

「もう…」


またなのね…、とあたしはため息をつく。


「ということで、早速やってみましょうよ!」

「ところでミラさん、相手ってどうするんですか?」

「それはもちろん僕とルーシィに決まっ「あんたは黙ってなさい」

「う…」

「そんなに難しいことじゃないんだし、みんなで順番ずつやっていけばいいんじゃないかしら」

「それもそうですね」

「そうと決まったら早速やろうぜ!」

「あいさー!!」


なんだか大事になってきたなぁ…。

ん?でもギルドマーク同士を合わせるってことは、ミラさんやジュビアの紋章って確か…


「ルーシィ!マーク合わせようぜ!」

「オイラともー!」

「えっ?ああ、いいわよ。マーク同士を合わせるだけでいいんだよね」

「オレは右肩、ルーシィは右手だよな」

「オイラは背中だよ!」

「じゃあまずはナツね」


あたしはナツの右肩に自分の右手の甲を合わせた。
すると…


パアァァッ!!


ギルドマークを合わせた瞬間、触れた部分が光だした。


「なにこれ…」

「キレイだねー」

「すげぇな!なんか力がみなぎる気がするぞ!」


たしかに、何かが身体の底から湧いてくるような気がした。

少ししたら光はだんだんと消えていった。


「ん?終わったのか?」

「そうみたいね」

「じゃあ次はオイラとだね」


あたしはハッピーの背中に右手の甲を合わせる。

さっきと同じように光だした。


「ほんとだぁ!力がみなぎる気がするよっ!!」

「じゃあオレとハッピーは別のところに行ってくるな!」

「またねー!!」

「うん!」


あたしは2人に別れを告げ、仲の良いレビィちゃんの所へ行くことにした。

のはずだったが…
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