リクエスト

□期待してもいいですか
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「・・・ナマエそろそろ離れて」
「やだ」
「おれにひっついてたってどうしようもないよ」
「分かってるけど・・・」
「クロもナマエのこと探してると思うよ?」
「・・・女の子と一緒にいたもん。どうせ探してないよ」
「帰る約束、したでしょ?おれがとりつけてきたんだから」
「・・・うん」



私とクロは付き合ってないけど、私たち3人は幼馴染で仲がいい。

それに私は小さいころからクロのことが好きだ。

誰にも公言してないから知っているのは人を良く観察していた研磨だけ

なにかと協力してくれたりもする。あの面倒くさがり屋の研磨が


それでもいつからかクロは私に対してだけそっけなくなっていった。

私が何かしてしまったのかと思い、クロに聞いてみても誤魔化されるだけでなにも教えてはくれなかった

そんな関係が悪化した私たちが下校を共にできるのは、研磨が約束を取り付けてきてくれたからなのだが、



「女の子と話してるの見たら一緒になんて帰れないよ」
「ナマエって本当に面倒な性格してるよね」
「五月蠅いなぁ・・・。そこは優しく慰めてよ」
「・・・」
「なんで無視するの!」
「はいはい、でも約束はちゃんと守らないとね」
「女の子と一緒にいたもん」
「クロ、そこにいるけど」
「えっ!?」



驚いて顔を上げるとそこには息を切らしたクロがいた



「え、なんで・・・」
「じゃぁね、クロ、ナマエ」
「おう」
「え、え、ちょっと・・・」



行ってしまった。なんで今この状況でクロと二人っきりにするの・・・。

気まずいよ。ていうかさっきの話聞かれてないよね?



「・・・おい」
「っな、なに?」
「なんで靴箱のとこにいなかったんだよ」
「あ、えっと・・・」
「しかも研磨と一緒にいるし」
「それは・・・」
「一緒に帰るって約束してただろ」
「うん・・・」



なんか怒ってるよ!

さっきまで女の子と一緒にいたじゃない

なんでそんなに怒ってるのよ



「とりあえず帰るぞ」
「うん」



そういうとクロは私の手をつかんで歩き出す。


あ、そういえば久しぶりにクロに触れたなぁ・・・

なんだか手、大きくなってる。

手に力を入れてみるとビクッと反応するクロ。

あれ?

なんか耳が赤い。



「あんま・・・」
「え、なに?」
「・・・ほかの奴と一緒にいんな」
「え・・・」







期待してもいいですか







(ね、ねぇクロっ)
(ん?)
(これからも一緒に帰ってくれる?)
(・・・あぁ)
 

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