リクエスト

□貴重な表情
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「ねぇ、セブ」
「なんだ」
「つまんない」
「勝手についてきたのは貴様だろう」



さっきからセブの目線は本に奪われてばっかり。

しかも闇の魔術だし、私理解できないし

あぁ、でも集中して本読んでる姿はなんだかきれいだ

文章を追うその目も、ページを捲るその指も、とても魅力的だ。



「おい」
「え、なに?」
「そんなに見られていては集中できん」
「だって他に見る物ないんだもん」
「ここは図書室なんだから本でも読んでいろ」
「眠くなっちゃうよ」
「少しは本を読めるようになれ」
「無理だよ」



あ、ため息つかれちゃった・・・。

でも本当のことだし。本読んでると眠くなっちゃうんだよね



「ねぇ、セブ」
「・・・」
「セブってば」
「なんだ」
「あのね、一個お願い聞いて」
「断る」
「聞いてくれたら静かにするから」
「・・・ほんとうだな?」
「うんっ」
「で、なんだ?」
「ぎゅってして!」
「は・・・」
「だからぎゅってして!」
「断る!」
「なんで!?ちょっとでいいのに!」
「できるかそんなこと!」
「え、セブ照れてる?ていうか耳まで赤い!」
「五月蠅い!見るな!」



結局構ってはもらえなかったけど珍しいセブのテレ顔が見れたので良しとします。

でもこの後マダムに叱られちゃいました。









貴重な表情







(ね、ね。いつかはぎゅってしてね)
(・・・いつかな)
(!うんっ)

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