リクエスト

□手を差し伸べる彼
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「あれ、ミョウジさん?」
「あ、菅原君」



委員会の仕事で帰りが遅くなってしまい、

すっかり暗くなった道を歩いているとジャージ姿の菅原君に声をかけられた。


(あ、学校ジャージじゃなくて部活のジャージだ・・・。なんでだろう?)



「今帰り?」
「うん、委員会で遅くなっちゃって。菅原君は?」
「俺は部活」
「あれ、3年生ってもう引退じゃないっけ?」
「俺らは春高バレーまで!」
「そうなの?頑張ってねっ」



・・・普通に一緒に歩いてるけど菅原君ってこっちの方面なんだっけ?



「ねぇ、菅原君」
「ん?」
「菅原君の家ってこっち方面なの?」
「いや、逆方向だけど」
「・・・こっちに用事?」
「いや」
「え、じゃぁなんで・・・」
「そんなの・・・―――」



そこで言葉を区切って私を振り返った菅原君はにこやかに言葉を紡いだ。



「暗い夜道の女の子の一人歩きは危ないからね」

「だから、送っていくよ」





手を差し伸べる彼





(え、えっ・・・)
(あぁ、俺の勝手だから気にしないで)
(あ、ありがとう?)
(そこで疑問系かー)
(っ、ありがとう、ございます・・・!)
(で、ミョウジさん家ってこっち?)
(あ、うん!)

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