ただ、君が好きだった
□02
1ページ/1ページ
「はい、あみだくじの結果配ります」
半紙の紙にペアが書かれている。半紙の紙を先生は配りながら簡単な説明をする。
「あまり関わりがない人同士がペアになったら書きにくいから今日から二週間その人と常にペアになって行動」
「え」
先生の説明に生徒の大半が声をあげた。
「勿論、席も隣、昼も一緒に」
「えー!きょーちんそれはないよ!」
「ぐだくだ言う子は内申書にペケ」
生徒の1人が文句をいうが先生の言葉に黙り込んでしまった。このクラスは三年生で受験生だ。今内申書にペケとかかれてしまったら致命的なため、先生に従うしかなかった。
「はい、異論は校長に言ってね。じゃ、とりあえず今から紙に書いてる席に移動」
はいちゃっちゃとやる。手をパンパンと叩きながら先生は言う。先生は自分のカバンと机の中に入っているものを取出し、紙に書いてある席に着いた。
「えー、と…左側の人は右、右側の人は左の人。これから二週間一緒にペアを組む人」
はい今から簡単な自己紹介。そう先生がいうとザワザワと生徒は騒ぎだす。
会話の中では「よかった一緒じゃん」「え……」などと様々な事が起こっていた。そんな会話を耳で聞きながら茜はたらり、と汗を垂らした。まさか、あのグループの1人の綾川優となるとは…。
「…………」
「…………」
重たい沈黙が茜と優の間に流れた。その沈黙を先に打ち砕いたのは意外にも優であった。
「あの…荻野茜であってるよね?」
「え?」
「俺まだ全然クラスの名前覚えてないから不安でさ」
「え、うんあってる」
「よかった。俺は綾川優これから二週間荻野には辛いかもしれないけどよろしく」
そういって笑う優。そしてこの時茜の中で優の印象が話ずらいから笑顔が綺麗。と変わった。そしてこの時から2人の関係は劇的に変わっていくのであった