ただ、君が好きだった
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先生がいなくなった後、茜が一度ため息をこぼして言葉を紡ぐ。
「とりあえず、ちゃっちゃと書いてきょーちんの所に持っていこう」
「そうだな」
茜の言葉に賛同したのは茜がいるグループの1人、新。新はグループの中でも茜とはとても仲がよい人物であった。
2人の言葉に混乱していたクラスメイトも「そ、そうだな」と言いあう。
「もうさ、テキトウに皆で書いてちゃっちゃとだしにいこう」
茜の言葉を合図にしたかのようにあみだくじの紙を渡された生徒の元にわらわらと集まり、我先にと書く生徒。
「でもさーランダムで決めたらあんまり知らない奴となったら困るよねー」
「確かに。とくにあのグループとかあんまり知らないしね」
あみだくじに名前を書きおわった生徒が言っているグループとは、2人でいつもいる男子の事だった。2人はあまりクラスに積極的に関わってはおらず、少しクラスでも浮いていた。
そんな2人を、その話を聞いていた茜は確かに少し話しにくいよな。と思いながら手に持っているシャーペンを動かし、名前を書いたのであった。