好き、だなんて言わない
□第2話
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滑走路をヒールの音をコツコツと鳴らしながら、ディセプティコンの格納庫へ向かっていると、後ろから誰かが私の名前を呼んだ
「ジル!」
振り返ると、ここの軍人のレノックスだった
「何か用?」
「何でもない、ただ調子を確認したかっただけさ」
「…そう」
「で、調子はどうだ?ここには慣れたか?」
「少しは」
私は今だに人間が嫌いだ
だからレノックスも嫌いだった
「それにしても、ジルは綺麗な顔してるな…」
まじまじとと私の顔を見るレノックス
「まじまじと見るな」
眉間にシワを寄せ、レノックスを睨んだ
「あぁ…ごめんな」
"ただ、それだけだ"と言ってレノックスは笑顔で走って去った
「綺麗…か…」
"綺麗"と言われたのは初めてだ
少しぼーっとしてるとまた誰かに声をかけられた
「ジルじゃないか、どうしたんだヨ?」
「あ、フレンジー…とバリケード」
私が声をかけられた方を向くと、フレンジーとバリケードが居た
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