孤高なキング2

□「WL」の本気
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正直な所…

幼い私には何の話かさっぱりわからなかった…

ただ…怖い話じゃないかって言う事は想像出来た

だって…あんなに優しい兄ぃが声を荒げて…怖い言葉遣いで怒鳴ってるから

私は…怖くなって…泣いた

子供らしい恥も外聞もなく泣き出した

それに気付いた兄ぃはすぐに私の所に来てくれた

秀「桃……大丈夫か?怖かったな…ごめん…」

王「秀虎!良いか!?今日からお前とアルセイドの姫君は許嫁だ!」

秀「おい!桃のいる前だろ!そう言う話は後にしろ!」

王「いつ話したとて変わりなかろう……それに子供のがわかる話でもなかろうに…とにかく!明後日!アルセイドに向かうから支度しておけ!……それと…桃を泣きやませろ…うるさくて敵わん」



ダァァァン!




兄ぃがすぐ傍に立掛けてあった槍を父さんに向かって投げつけた…

当たりはしなかったけど…ほんのすぐ横を飛んで行った…

秀「おい!それがテメェのガキに向かって言う事か!?あぁ!?テメェ一辺死んでみるか!?」

兄ぃ…

こんな怖い兄ぃは初めてみた

確かに父さんは私達兄弟皆嫌いだけど…

ここまで怒った兄ぃは初めてだ…

王「………はねっかえりが…」

秀「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞ!こらぁ!」




































兄ぃがここまでボロボロになったのは初めてだった

今までの英才教育で何度もボロボロになってたけど…

その時はまだ笑っていられる余裕があった

だけど今は…

桃「兄ぃ…どうしたの?顔色が悪いよ?」

秀「……今……俺に近づくな………大分キレてるから………誰でも傷つけちまいそうだ……だから…どっか行ってろ…」

桃「兄ぃ…そんな事言わないで……ねぇ聞いて?ピッグがね?」

秀「どっか行ってろ!」

桃「あ……兄ぃ…何で…何でそんな事言うの?……」

秀「っせぇぞコラ!どっか行ってろ!」




スパッ…




…………

…………

兄ぃが威嚇のために振った槍が…偶然にも私の胸を切り裂いた…

秀「あ……あ…も……桃……」

桃「……兄ぃ…か……い…」

秀「え?」

桃「兄ぃなんかもう兄ぃじゃない!死んじゃえ!どっか行っちゃえ!もう私の前に顔見せないで!」

そして私は気を失った…
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