孤高なキング2
□「WL」の本気
4ページ/12ページ
正直な所…
幼い私には何の話かさっぱりわからなかった…
ただ…怖い話じゃないかって言う事は想像出来た
だって…あんなに優しい兄ぃが声を荒げて…怖い言葉遣いで怒鳴ってるから
私は…怖くなって…泣いた
子供らしい恥も外聞もなく泣き出した
それに気付いた兄ぃはすぐに私の所に来てくれた
秀「桃……大丈夫か?怖かったな…ごめん…」
王「秀虎!良いか!?今日からお前とアルセイドの姫君は許嫁だ!」
秀「おい!桃のいる前だろ!そう言う話は後にしろ!」
王「いつ話したとて変わりなかろう……それに子供のがわかる話でもなかろうに…とにかく!明後日!アルセイドに向かうから支度しておけ!……それと…桃を泣きやませろ…うるさくて敵わん」
ダァァァン!
兄ぃがすぐ傍に立掛けてあった槍を父さんに向かって投げつけた…
当たりはしなかったけど…ほんのすぐ横を飛んで行った…
秀「おい!それがテメェのガキに向かって言う事か!?あぁ!?テメェ一辺死んでみるか!?」
兄ぃ…
こんな怖い兄ぃは初めてみた
確かに父さんは私達兄弟皆嫌いだけど…
ここまで怒った兄ぃは初めてだ…
王「………はねっかえりが…」
秀「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞ!こらぁ!」
兄ぃがここまでボロボロになったのは初めてだった
今までの英才教育で何度もボロボロになってたけど…
その時はまだ笑っていられる余裕があった
だけど今は…
桃「兄ぃ…どうしたの?顔色が悪いよ?」
秀「……今……俺に近づくな………大分キレてるから………誰でも傷つけちまいそうだ……だから…どっか行ってろ…」
桃「兄ぃ…そんな事言わないで……ねぇ聞いて?ピッグがね?」
秀「どっか行ってろ!」
桃「あ……兄ぃ…何で…何でそんな事言うの?……」
秀「っせぇぞコラ!どっか行ってろ!」
スパッ…
…………
…………
兄ぃが威嚇のために振った槍が…偶然にも私の胸を切り裂いた…
秀「あ……あ…も……桃……」
桃「……兄ぃ…か……い…」
秀「え?」
桃「兄ぃなんかもう兄ぃじゃない!死んじゃえ!どっか行っちゃえ!もう私の前に顔見せないで!」
そして私は気を失った…