孤高なキング2
□「WL」の本気
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私が気がついた時に…
もう兄ぃはいなかった…
この傷の事は私が侵入者にやられたと嘘をついた
だって…確かにこの傷は兄ぃがつけたけど…悪気が無いのはわかってたから…
これが私の出来る唯一の罪滅ぼし…
王の座も…家族も…平穏も捨てざるを得なくなった兄ぃへの…唯一の罪滅ぼし…
兄ぃを追い出すきっかけとなった私が今は兄ぃを取り戻すために戦ってるなんて…
世の中わからないものね…
だけどあの時兄ぃに言われた事…それをずっと守って来た私は誰にも負けない
このチェシャにだって負けないはず
桃「ピッグ!“サイケこうせん”!」
ドォォォン!
ステージ上に砂埃が舞い上がった
秀「うわ……たかだか“サイケこうせん”でここまでやるかね……」
光「桃は……恐らくミリスの女性でNo.1ですからね」
レ「それは凄いな…」
皆は感心しながらステージ上に目を移した
レ「あれ?……」
秀「気付いた?」
レ「あ…あぁ……」
ブ「どうしたの?」
秀「砂埃……全然落ちてねぇよ…」
ステージ上の砂埃は舞い上がったままの状態で維持されている…
もちろんこの世界に重力と言う物がある限り物が下に落ちないと言う事はあり得ない
しかしこのマジックのからくりにいち早く気付いた人間がいた
エ「もしかして……“サイケこうせん”?」
光「ご明答」
エメラルドもまた…“サイケこうせん”の起こす不可思議な出来事に悩まされた一人だった
桃「これでお互い見えないね……でも私のピッグはエスパータイプ…どんなに視界が悪くても敵の居場所は良くわかる……ピッグ!“サイケウェーブ”!」
バンッ!
?「ガァッ!」
“サイコウェーブ”が見事に命中したらしい…
チェシャの喚き声が会場内に木霊した
桃「ピッグ!そこ!」
バンッ!
ドンッ!
バキッ!
姿は見えないが恐らく今のチェシャはボロボロだろう…
それくらい攻撃を加えた
秀「……………」
ク「どうしたんですか?キョロキョロして…」
秀「いや……また誰かがいなくなってねぇかなぁ……って……んな訳ねぇよな!?」
秀虎は笑いだしたが…皆が一斉に辺りを見回し出した
秀「いや…それはねぇだろ…」
レ「お前が言うと冗談にならなくなるんだよ!」