最終章・クライマックスシリーズ

□地方決戦(ジョウト)
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ゴ「化物でも通ったみてぇだな…」


ス「より正確に言うなら…戦争の跡…って所かしら…」


まるで焼け野原…


ステイの言うようにまさに戦争の跡…


人っ子一人いやしない

完全な空虚…


フスベの町は完全に廃虚と化していた


ゴ「誰か…誰かいないもんかな…」


ク「待って……あそこに人がいる!」

























ゴ「おい…大丈夫か?」


「何言うてんの?大丈夫なわけないやん」


ス「まぁこれだけ喋れたら上等ね」


空虚なフスベの町にただ一人、取り残された少女は無気力に空を見つめていた


まるで空…


抜け殻のような瞳だった


四人はその少女にある種の恐怖を覚えた


言い知れぬ不安感…


得体のしれない焦燥…


ただただ恐ろしかった


ク「お嬢ちゃん…名前は?」


「ミドリ…」


ク「ミドリちゃん…お母さんやお父さんは?」


ミ「そんなもんおらへん。とうの昔におっ死んでしもうたわ」


そして再び恐怖がよぎった…


今度は少女の笑みに…


ここでステイも気付いた


恐らくこの少女の一挙手一投足に恐怖するであろう事を…


ク「だったら…施設?…に戻らなきゃ…お姉ちゃん達と行こう?」


三人もクリスが無理をしている事に気づいていた


こんなに恐ろしい少女と一緒にはいられない…


いられないが…


置いてけぼりは余計に出来ない


ミ「姉ちゃん…無理せんでえぇで…ウチは施設育ちちゃうから…特に誰かと一緒やった訳やないからね…」


ク「でも…」


ミ「ウチは生涯一人っきりやから…今更誰かに手ぇ焼いてもらう事もあらへんよ。姉ちゃんらも忙しいやろ?早う行きぃや」
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