孤高なキング2
□暗雲
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光「はっきり言って……赤の他人に指摘されるのも恥ずかしい話ですが……クズです…恐らく…自分が今まで出会った大人の中で最低です……ただ…」
秀「桃に対しては優しかった…か?」
光「はい…」
これで納得した…と…
皆、一様にそう思った
鷹秀は助けずに桃だけを助けた理由が良くわかる
グ「正直…ステイの許嫁の話を聞いてからおかしいとは思ってた…」
ス「?…」
グ「アルセイドの王が……既にクズだ…そんな人間とただ付き合いがあるならいざ知らず……許嫁の仲まで持っていくとなると…クズだ。アルセイドの王のようなクズと付き合いがあるのは同じようなクズか利用しようとしてるクズしかいないだろう」
事実なのだが…
仮にも身内の人間をそう何度もクズと言われるとあまりいい気はしない…
秀「まぁ…察するに…晴の義父みたいな物だろ……要するにガキも道具にしか見てねぇ人間ってこった……で?急にそんな話してンの?」
グ「………行くなよ?」
秀「……は?」
グ「負けても…そんなクズの所に…帰るなよ?」
忘れかけていたルール
今のように共同戦線を張っているために半ば忘れかけていた決め事
何人かは共同戦線を張っている事で破棄されたかと思っていた
光「………兄弟の残りは自分一人……はっきり敗色濃厚です……それに…例え自分が勝ってももう強制はしません…兄さんの好きにしてください」
秀「………ハハッ…何かスッゴい心配されてるけどさ……まずは奴さん達を倒さなきゃ…だろ?」
既に帽子屋はスタンバイを完了してステージに立っている
長話で本題を見失いがちになっていたが今夜のメインはあくまで「WL」潰し
秀虎云々はそれが終わってからの話だった
秀「さて……オーキド博士?」
オ「あ………なんじゃ?」
秀「こうやって面と向かって喋るのは初めてだから…とりあえず初めまして…かな?」
オ「まぁそうなるかの…互いに互いの素性やらは知っとるからおかしな挨拶じゃが…初めましてかの…」
秀「もし……もしこの勝負をうまく丸め込めたら…自分と…この娘に図鑑…もらえませんか?」
秀虎はステイの肩を抱き寄せた
正直この提案は皆に取っては衝撃的だった
今まで秀虎はそう言う肩書き的な物にこだわらない…そんな人間だった
大体今の秀虎は王子と言う…はっきり言って図鑑所有者より立派な肩書きを持っている…
その上で図鑑を欲する理由は…