孤高なキング2
□歴史の崩壊
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レッドにとってソレは珍しい事だった
歴代の敵達は必ず何かしらの目的を持っていた
しかもそれを達成するための全てが正義だと疑わなかった
しかし…目の前にいるこの男は…
目的もない…
善悪もない…
全く異色な敵だった
レ「だったら…これが終わったらお前はもう何もしない…もう終わりって事なのか?」
時「……その時はその時に考えます……ミミロップ!“れいとうビーム”!」
秀「つまり…些細な事が関係ない大きな事を引き起こす結果につながるって事」
ラ「その大きな事ってのがこのコロッセオだとして…些細な事って何?」
秀「あいつだよ」
秀虎はステージの時計兎を指差した
秀「つまり……簡単に説明すると…あいつが過去をぶっとんで今に来た事で俺の…俺達の知ってる過去がめちゃくちゃになってるって事…」
ここで感の良いグリーン・クリス・ルビーはしっかりと秀虎の真意を読み取った
しかし…パー組のラルドやサファイアは置いてけぼりを食っていた
秀「本来…あいつが過去をそのまま生活していたなら…それが正常な時間の流れだったんだ……でも…予期せぬ事態であいつが現在にきちまった……それによって…」
秀虎の話は長いのでここで簡潔に説明しよう
時計兎が過去から現在に来た事で…
少なくとも時計兎の子孫に当たる人間が今の時間から消えてしまう事になる
元種の時計兎が正常な流れから消えてしまったのだ
それは当たり前
それだけで現在に……三十人近くの人間が消え、代わりに三十人近くの人間が新たに存在しているはずだ
時間の秩序を考えればおかしい話ではない
三十人近い人間…しかもそれはチャンピオンの家系
そんな人間が消えた事が与える世間のダメージは甚大だ
簡単に考えてもこれだけの被害…
その上時計兎はチャンピオン…
時計兎に憧れ…目指した人間が何人いただろうか…
その時計兎がいなくなったと言う事実にショックを受け…自殺や行方不明になった人間もいただろう…
そうなって来ると歴史は大きく変わる
例えばその中にこのコロッセオを作った人間の祖先がいたなら…
このコロッセオの建設月日にズレが生じるのも無理はない
これが秀虎の考えるコロッセオ建設月日の不一致の全貌だった