孤高なキング
□孤独なジョーカー Verヤング
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俺は親の顔を知らない…
さらに自分の誕生日もどこで生まれたのかもわからない…
そんな野良犬だったんだ…
ある夏の日…
全国の浮浪者が集まる「我信」と言う所に一人の赤ん坊が捨てられていた…
その赤ん坊を拾ったのは「我信」で最も偉く尊敬され「教官」と呼ばれていた老人であった…
教官はその赤ん坊に先の短い自分にもしもの事があった時にも一人で生きて行ける賢い猛獣になるように「秀虎」と名付けた…
秀虎が拾われて数年が経った…
秀虎は教官の望む強い少年になっていた…
秀「爺ぃ!今日も五万は儲けたぞ!」
勇ましく家に飛び込む秀虎…
それを見て教官は頭を抱えた
教「秀虎よ…それはどうやって稼いで来た?」
秀「朝から車に当たって三万…そこから学生イビって二万…だな」
その後秀虎が殴られ叱られたのは言うまでもない…
そんな感じで多少の悪さをしながら秀虎は暮らしていた
そんなある日…
教官と秀虎の家にガタイの良い男達が押し掛けて来た
用件はこの我信を潰し巨大な住宅街を作ると言う事だった…
教「用件はわかったが…何でそれをワシに
言うて来る?」
男「それはこの街の住人が皆あなたの答えに従うと言って来たからですよ……あなたの了解があれば全て丸く収まるんですよ」
教官は頭を悩ませ…
チラッと秀虎を見た…
秀虎は幼いながらも鬼の形相で政府の人間を睨みつけていた
教「もし……もし断ったら?」
男「その時は手荒い事をするかも知れません……」
男達のにやけ顔を見ながら教官は歯を食いしばり…
秀虎と見比べた…
教官と目の合った秀虎…
そして気付いた
教官の強く…強く握られた拳から赤い雫が落ちるのを…
教「立ち退いた場合ワシらに支払われる金額は?」
男達は片手を広げた
教「500万か…」
それを聞き男達は大爆笑した…
男「500万!?あなた方にそこまでの金額出せる訳ないでしょう!?50万ですよ!」
もちろん教官は激怒した
手元にあったコップを男に投げつけた
教「ふざけるな!ワシらの値段が50万やと!?ナメるのも大概にせぇ!!」