捧物

□それは切ないスイカのように
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恋…


とても切なく…


とても甘美…



それと同時にとても危険…




互いに好き合っていればその時は何にも勝る麻薬になるし…



冷めてしまえばその時はただ苦痛なだけ…




そんな難儀な物に一生懸命になる輩もいれば…


人間との繋がりを無駄なものと早々に割り切っている奴もいる



恋…


と言うか人の気持ちは難しい…


恐らくはこの世で最も奇怪な物だ



そして…





ここにもその奇怪な物に振り回されている人間が一人…






















イ「レッドさん!」


レ「イエロー……どうした?」


俺の前にいる麦藁帽子を被った金髪の少女…


俺はこの娘に「恋」をしている…



だけど…好きか?と誰かに聞かれても多分…


いや…絶対に「好き」とは答えられない


笑いたければ笑えばいいさ


自分でもよくわかってるんだ…


チャンピオンである俺…

図柄所有者で…

ロケット団を二度も潰し…

いくつもの修羅場を潜って来た俺…


そんな俺が一人の少女に面と向かって自分の気持ちすら伝えられないんだから笑っちゃうよな…


もちろん俺もそれで満足してない


だけど…どうにも気持ちは言えない…


イ「レッドさん…あの…」

レ「ん?」


イ「僕…今週中にシンオウ地方に引っ越す事になりました……すいません…」


レ「………は?」



























それからの事は覚えてない…

イエローが言うには親の事情がどうとか…


その後二人で皆の所にまわって事情を説明してまわって…

二人は別れた…


起こった出来事は覚えてる

だけど…


イエローと一緒に歩いた時の事は覚えてない…


気付いたら皆の家の前にいて…


気付いたら家だった…

それほど俺は上の空だったんだ…
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