孤高なキング2
□暗雲
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決別…
それは…今いる図鑑所有者達との…
歴代の図鑑所有者達が図鑑を手にした後にする行動は決まっている…
皆が皆申し合わせた訳ではなく…
ある者は夢を追いかけ…
ある者は自らの使命に従い…
ある者は競争を始める
つまり…「旅に出る」のだ
それは運命とか本能のような不確実な物ではない
図鑑を渡した本人達が渡された者に「旅に出ろ」と命令した訳ではない
明らかに必然
一分の隙もない必然
秀虎は…旅に出たがっている……?
秀「どうですか?オーキド博士のお眼鏡にはかないませんか?」
オ「……いや…今ここで図鑑を渡してもおかしくはないじゃろう……じゃが…一つ聞きたい…」
秀「俺に取ってポケモンとは何か?ですね」
オーキド博士は小さく頷いた
レッドは「家族」
イエローは「友達」
ゴールドは「相棒」
アリスは「自分」
多少番外にはなるが…
ヤナギは「道具」と答えた
そのいずれもがポケモンの事を深く考え深く愛した結果…出た答えだろう
秀「単純なようで…実に複雑な質問だ…正直良くこんな難問を作ったと感心さえします……俺に取ってポケモンは……まさに金」
全「は……?」
秀「いやいや!もちろんポケモンが金儲けの道具とかってんじゃなくて……この広い地球上で…99.9999%の人間は成人…あるいは社会に出ると同じ事をし始めます……それは仕事。何のために仕事をするかと言うと……金を得るため…何故?生きて行くためですね……食料…水分…住居…その全てに金がかかる以上人間は働く……生きるために金を稼ぐ…極端に言えば金があっての生活です…俺に取ってポケモンはまさにそれ……いなければ今日を生きるのが困難になり…いれば安心出来る…それが俺に取ってのポケモンです」
多少…いや大分屈折してはいるが…その土台はやはりポケモンを深く思っているのだろう
へたをするとレッド達より深い気持ちがあるのかも知れない
レッド達は「大切」
秀虎は「必要」
極論を言ってしまえばレッド達はポケモンがいなくてもどうあれ生きて行ける…
しかし秀虎の場合はいなければならない
秀虎らしい…天邪鬼な答えで真意はボヤけているが実に秀虎らしい答えだ
オ「なるほど…それは中々…珍しい答えじゃ…今までに前例が…」
帽「すいません!早くしてもらえませんか!?」