捧物
□ヒーロー
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カントー・マサラ某所
時間はすでに夜の八時を回っていた
レ「おいゴールド…こんな夜中に呼び出しといて……何の用だ?」
眠たそうに頭を掻きながらレッドはゴールドに歩みよった
ゴ「ここに来たって事は手紙を読んだって事ッスよね?だったら話は早ぇじゃねぇッスか」
レッドは困ったように懐の手紙を取り出した
レ「あのなぁ…今時果たし状ってどうかと思うぞ?いつの時代の人間だ?」
ゴ「チャンピオンは野暮な事言いっこなしッスよ……俺は本気なんス…受けてたってください」
多分ゴールドの必死さを感じ取ったのだろう…
レッドも仕方なく構えた
レ「それじゃ2対2な?行くぞ…」
ゴ「上等ッス……ウーたろう!“いわおとし”!」
レ「ゴン!“ころがる”!」
ゴ「やっぱりアンタは最高だ…俺何かが……」
レ「そんな事ないよ……お前かなり強くなってるぜ…後二・三年したら俺もうかうかしてられなくなるよ」
ゴ「………長いッスね…」
二人は笑いあった…
時間の経過などどうでも良いくらい語りあった…
それはポケモンの事のみではなく好きな異性や、興味のある物…
とにかく一晩中語りあった
それは先輩と後輩や、チャンピオンと挑戦者等ではなくお互いが認め合うくらいの素晴らしい関係だった
やがて眩しい日が上り、朝を迎えた
レ「今はまだ俺がチャンピオン…お前が挑戦者だ……だけど誰かが俺を目標にする限りこの関係が保てるかわからない…もしかすると一ヶ月後には俺が挑戦者になってるかも知れない……ただ…その時俺に引導を渡してくれるのはお前だと…俺はそう願ってるよ」
レッドは静かに去って行った…
ゴールドもそれを静かに見送り深々と頭を垂れた
ゴ「今はまだ無理だけど……だけどいつか必ずアンタに引導を渡してやる……その時までは…良い先輩でいてください…」
俺の「ヒーロー」…