◇学園ヘヴン。

□眠り姫
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「ふんふんふん♪ふふんふ〜ん♪」

ガチャッ

丹羽が学生会室のドアを開けた。

「ヒーデー!!って・・・・ぁ??」

いつもはそこにいるはずの副会長ー中嶋英明ーの姿がないことに丹羽は驚いた。

「んだよヒデのヤツ〜。いっつも俺に仕事しろ仕事しろっていうクセに,自分はいねェじゃねェかよ〜」

そんなコトをぶつぶつ言いながら,ふと学生会室に視線を彷徨わせる。
すると・・・

「んっ!?」

丹羽の目に驚きの光景が入ってきた。
その光景とは,会計部の七条臣が学生会室の壁に背を預け瞳を閉じている,というモノだった。

「七条・・・?」

丹羽が七条のもとに近づくと,すうすうと寝息が聞こえる。

「寝てるぜ・・コイツ・・・・。」

丹羽は七条の顔を見つめると,銀色の髪に手を伸ばした。
さらさらとした銀色の髪は,七条の抜けるような白い肌によく似合っていた。
閉じた瞳を縁取る睫毛は長く,頬に影をつくっている。
左目の下には七条のチャームポイントの泣きボクロ。
七条のコトを悪魔,という人間もいるがこの時の七条は紛れもなく天使だ,と丹羽は思った。

「キッレーな顔だなぁ・・・・・・。」

そういって丹羽は七条の頬に触れる。
すると・・・

「んぅ・・・・・。」

七条が小さく身動ぎ,声を漏らした。

「っつ・・・?!」

その声や仕草が色っぽくて丹羽の鼓動は速くなってしまう。
起こしてしまったか,と思ったが七条は身動いただけでまた眠ったようだった。
「やっべ〜よ・・・・七条・・・・。色っぽすぎるぜ・・・・。」
まだ治まらない鼓動を落ち着かせようとしながら丹羽は七条をみつめる。
しばらく見つめていた丹羽だったが,ふと気づいた。 
「こいつ,この体制で寝るのってキツイよなぁ?」

そう。
七条は壁に背を預け眠っているのだが,おそらくこのまま寝ていてしまうと後で背中が痛くなってしまいそうなのだ。

「う〜ん・・・。」

丹羽は少し考えると学生会室の隅に置かれている仮眠用の小さなソファに目をやった。

「あそこで寝させるか。・・・よっと。」

丹羽が七条を抱き上げる。
そして驚いた。

「ん・・・・?コイツ,めちゃくちゃ軽いじゃねェか。」

身長は中嶋と大して変わらないのに,七条は軽かったのだ。

「結構細見なんだなぁ。いつも郁ちゃんといるからデカくみえてただけだったのか・・・。」
丹羽は七条をソファに横たえると,自分が学生会室で寝泊りをする時に使う毛布をひっぱりだしてきて掛けてやる。
相変わらずスヤスヤと寝息をたてている七条を見ているとなんだか穏やかな気持ちになり,丹羽から自然と笑みが零れる。
しばらく七条の寝顔を眺めていた丹羽だったがおもむろに立ち上がると,
 
「さ〜て,仕事するかっ。」

一声あげて,仕事に取り掛かりだした。

                  



強制終了デス汗
王様が臣を見てドキドキするお話。(そのまま!!
中七も大好きですが,丹七もスキなのです!!
逃亡ッッ!!    
 

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