長編novel

□atheling -conceive-
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同名なんていくらでもいるか…と思ったが、メイドの様子は何かおかしかった。
ハッとしたアスランの顔を見てやってしまったという様にごまかすそぶりをみせる。
ラクスはアスランの方を向きニッコリと微笑む。
「アスランはキラ様と親しいのですよね。」

「えっ、えー、まー。」

なぜ急にキラの名前がでたのか…
ラクスの言葉にメイドは目を丸くして驚いていた。
やはり…

「では、カガリさんとも親しいのですね!」

「えっ、いえ、カガリ様とはまだお会いしたことは…」

「まー、そうでしたの!?ヒビキ様はカガリさんに厳しい方ですから仕方がないですわね。」

「…あの、ラクス様。先程お話になっていたカガリって…」

探るような眼差しでラクスを見つめるアスランにラクスはニッコリと微笑む。

「私のお友達のカガリ・ヒビキさんですわ」

「ラクス様!」

メイドの驚いた声が響く。
カガリ姫の脱走先はクライン国のラクスの元だったのだ…

「大丈夫ですわ。アスランはキラ様(友達)の妹姫をお売りになったりなさいませんでしょ?」

「それは…キラからもそのような話しを聞いていましたから…」

「なら大丈夫ですわね!味方は多い方がカガリさんも喜びますわ!」

パッと明るい表情を見せるラクスと反対にメイドは呆れたような表情だった。

「それに私、是非カガリさんにアスランの事を紹介しいですわ!」

「えっ。」

それはやはり婚約者としてなのだろうか…

アスランの心に不安が込み上がる。

「カガリさん、まだ局にいらっしゃるかしら…」
「どうでしょう、電話して聞いてきましょうか?」

「まー、そうして頂けるととても助かりますわ!」

どんどんと話が進められていった。

「えっ、あの、ちょっ…」

アスランは完璧に二人の会話に取り残されていた。

「カガリ様!」

「どうでした?」

メイドは連絡をつけて帰って来たようだ。
急いで聞いてきたのか息を切らせて必死な表情だった。

「大変なんです!カガリ様が…カガリ様がこちらに抜け出して来られていたことがヒビキ様に見つかってしまいました!先程、ヒビキ国から向かえの方が局にいらっしゃっられカガリ様を連れて行かれたそうです!」



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