短編novel

□束縛
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クリスマスはカガリと過ごすはずだった…

「ごめんアスラン!」

「いや、仕方ない・・・」

彼女は婚約者であるユウナ・ロマ・セイランと過ごすことになってしまった。。

セイラン家に招待されたらしい。
ウナト・ロマ・セイランと仕事の話。っていっていたが…
実際はどうだか。。。

ユウナ・ロマ・セイランは俺がコーティネターでカガリと仲良くしているのが面白くないようだしな…
まっ、あたり前だろうがな、カガリは婚約者だしな。
カガリは地球とプラントとの戦争が休戦中とはいえオーブの代表首長としてはコーティネターの俺と公には付き合えない。。
ましてや俺は、プラント元最高議長、パトリック・ザラの息子…アスラン・ザラなんだからな…

「本当にごめん!」

カガリの真っ直ぐな瞳が俺に突き刺さる。





〜束縛〜





カガリと別れ車に戻りカバンの中から車の鍵を取り出すと、カバンの中にあった四角い箱に指がふれる。

…どうするかな…これ。。
カガリに渡そうと思っていたクリスマスプレゼント。完璧に渡す機会がなくなった。

でも、今の俺は彼女の重荷でしかない。
カガリは何も言わないが、ユウナだけじゃなく、他の首長たちにも俺に関していろいろ言われてるみたいだ…
そんな俺がこんなものを贈ったら更に迷惑なる。。

俺は指に触れていた箱をカバンの奥深くへと押し込んだ。。







クリスマス当日。
暇をもて余していた俺はキラたちと共にマルキオ様の孤児院にいた。
子供たちと遊んだり、お菓子を配ったり…。充実した時間だったのだろう…
でも、ずっと心の底でカガリのことが気になっていた。

孤児院から家へ帰るついでにセイラン家の前を通って帰った。
彼女のことが気になってしかたがなかった…



セイラン家の門の前。。
そこで見たのは…


カガリの肩に触れる手。。

彼女の頬に触れる唇。。。


俺は今にもとびだして行きそうになった拳と足を踏ん張り。車のエンジンを押して何事もなかったかのように走っていった。

今、俺が彼女の元にいっても邪魔にしかならない。



夜も更けてあたりが漆黒に包まれた頃、家のチャイムがなった。ドアを開けるとそこにはカガリの姿があった。


「あっ、こんな時間にごめん。さっき、お前を見かけた気がして…セイラン家の前・・・通ったか・・・?」

カガリのハニーブラウンの瞳はキラキラと輝きながら揺れていた。

「あー、孤児院の帰りにな。」

「…っ、ごめん!」

頭を下げる彼女の姿が俺の胸にずっしりとのし掛かる。

「カガリのせいじゃない・・・」

「でも!私…?!」

カガリが何かまだ言いかけていたいるのに関わらずカガリを俺の胸に抱き寄せ口を塞ぐ。

その細い肩に先程まで違う男が触れていたのだと思うと妙に苛つき…


爆発した


「ちょっ…アスラン!」

抱いたままの姿勢で唇を彼女の耳に近づけ…耳の先をくわえる。

「・・・ひゃ!!・・・アス・・・ちょっ・・・やめ・・」

彼女の顎に手を添え耳からゆっくりと頬へ。
嫌がる彼女を無視して頬に軽くキスを・・・



何度も…



先程つけられた汚れを落とすように…


「…どうしたんだよ!アスラ・・・ん?!」

彼女の柔らかな唇に唇を重ねる。


「…っ…ん!」



ゆっくりと唇を離す。


「…どこ…」



「?アスラン?」


「他にどこ触られた…?」


彼女の頬は赤く、瞳は揺れていた。

「…」

暫しの沈黙ののち何も言わない彼女に耐えかね


ゆっくりと荒々しく


唇で彼女の首をなぞる



「…ひゃっ!…やめっ…っ…頬…だから…もっ、やめろ!」


「本当に…?」


「本当だ!」


彼女の瞳を覗き込む。
そこには迷いが無いように見えた。


ふと玄関においてあったカバンが目に入った


あの中には…


彼女の重荷にしかならないことはわかっていた。


…でも


「…カガリ」

「?」

俺は手にカバンをもっていた。

奥深くに押し込んだプレゼントを取りだし包みをビリビリと破き中身をとりだす。

「…ネックレス?」

「クリスマスプレゼント。」

彼女の胸元に俺の手からつけるそれは…

「ありがとな!あっ、でも私なにも用意してない…」


「いいよ。さっきのキスで。」

「なっ!よくない!!そんなの納得できない!」

「いいって…」


ネックレスと名のつく首輪。



君は俺の物…


クリスマスプレゼント貰ったのは俺・・・ 




君に誰も触れて欲しくない・・・・



-束縛-
END




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