短編novel
□valentine
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〜valentine〜
「よし!できた!」
月明かりが当たるカガリの屋敷のキッチンから香る甘い匂い。
「ま〜、ま〜、こんなに洋服を汚されて…台所も…」
どこからともなく現れたマーナがカガリの汚れた服を見て呆れ返る。
「しょうがないだろ…これでも、急いで作ったんだぞ!」
汚れたキッチンに見向きもせずにカガリは真っ直ぐにマーナを見ながら顔に着いたチョコレートを手で軽く拭き取る。
「わかりましたから、早く着替えて行って来て下さい。」
「でも、片付けが…」
「片付けはやっときますよ。早くしないともう10時ですよ!バレンタイン終わっちゃういますよ?」
「…悪い、頼んだマーナ!」
バタバタとすごい音をたてて自室に走るカガリ。
今日は、恋人たちの3大イベントの一つバレンタインデェー
カガリも、このイベントに参加しようと忙しい仕事の合間にいそいそとチョコレートを作っていた。
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