短編novel
□Take in one's sleep
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〜Athrun side〜
ここ最近カガリとまともに喋っていない。
お互い忙しかったせいか、中々二人だけにはなれなかった。
「カガリ…入るぞ。」
そろそろ限界が来ていた俺は、カガリの部屋を訪ねた。
「カガリ?」
プシューと音を立てて開くドア。
部屋は真っ暗で人のいる気配はなかった。
(まだ、帰ってないか・・・)
俺は部屋を出ようとすると部屋の奥から微かに物音が聞こえた。
「カガリ?」
ゆっくりと奥へと足を進めると…
そこには、軍服のまま穏やかな顔をしてベットに眠るカガリの姿があった。
「もう、寝たのか…」
まだ就寝するには早い時間だったが、仕事続きで疲れていたのだろう。
俺はカガリに毛布をかけ直して帰ろうとすると…
「ァ…スラン」
微かに俺を呼ぶ声が聞こえた。
カガリを見ても起きた様子はない。
(寝言か。)
俺は再び帰ろうとドアへ向かおうとすると、どこかを引っ張られるのを感じた。
振り向くとカガリが俺の袖をギュッと握っていた。
「ヵ…カガリ?」
俺はどうにかカガリの手を袖から離そうとしたが、ギュッと握られた袖をなかなか離そうとはしてくれなかった。
カガリは相変わらず穏やかな表情で眠っていた。
「…アスラン…」
「うん?」
寝言に答えてみる。
「…ハツカネズミ」
プッ・・・!
あまりに予想外の言葉についおもいっきり吹いてしまった。
「どんな夢みてるんだよ…」
緩みきった口元は直る事はなく俺はカガリの手が袖から離れるまで暫くカガリの寝顔を見ながら待つ事にした。
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