短編novel

□酔い
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―酔い―



「ア〜スランvv」

アスランがデスクワークをしている時だった。

突然カガリが部屋に入って来て椅子越しに後ろから抱き付いてきた。

「カッ、カガリ?!」

ビビるアスラン。

カガリからは微かにお酒の臭い。

「お前っ!酒を飲んだのか!」

何とか後ろから抱き付いていたカガリを離し顔をみる。

そこには、顔を真っ赤にしてオレンジの瞳をウルウルさせているいつもと違う彼女が…

「キラとな、ラクスがな、飲めってな〜、くれたんだ〜。案外うまいんだな〜。」

完璧に酔っている

カガリは成人しているものの仕事の関係でアルコールをあまり口にしない。

そのためか、免疫も少なく酔いやすいのだ。

「ア〜スランvお酒ないか〜?もっと飲みた〜い」

瞳をウルウルさせてのおねだり攻撃。

「駄目!」

アスランのその一言で凄いヘコむカガリ。

いつもと違うカガリの様子にドキドキしながらいけないと理性との戦いを繰り広げるアスラン。

「暑い…」

そんなアスランを尻目にカガリは酔い過ぎて暑いのか服を脱ごうとシャツに手をかける。

「わっ、カガリ!」

なんとか、カガリの手を押さえそれを阻止するアスラン。

(勘弁してくれ)

と、うつむいているアスランをカガリはじっと見つめた。

それにきずいたアスランと目が会うとカガリはニッコリと笑いかけてきた。

ドキッと胸の高鳴りを感じ、ついカガリの押さえていた手を離してしまうと、カガリは思いっきりアスランに抱き付く

「ちょっ、カガリ!?」
「えへへへへッ、アスラ〜ン!好きだからな〜!」

アスランの理性は限界に達した。

カガリを力いっぱいギュッと抱きしめ

「俺もだ」

と告白。

しかし、反応なし

それどころか、寝息が聞こえてくる

アスランはそんなカガリの姿をみて一瞬硬直してしまった

理性が戻り一人笑いが止まらなくなってしまった。

「自分から誘っといてもう寝たのかよ!それにしても俺の理性も弱すぎだろ」

笑い過ぎて涙すら出ていた瞳から涙を拭い、カガリを抱えベットに向かう

優しくカガリをベットに寝かせるとアスランはカガリの耳元に顔を近づけ

「今度は逃がさないからな」

と宣誓布告をしカガリの赤くなっている頬に軽くキスをする

カガリは深い眠りについていてきずかない

アスランはそんなカガリをにこやかに眺めデスクワークに戻っていった。


-------


朝、カガリが起きると目の前にはアスランの寝顔があった。

「わっ!」

思いっきりアスランを突き飛ばすカガリ。

アスランはベットから落とされた。

衝撃で目を覚ますアスラン

「なっ!なんでお前が私のベットに…」

「なんでって、ここは俺のベットだ」

「へっ、アスランのベット?なんで、私…」

どうやら酔っていた時の記憶が全く無いようだ。

「なんでって……昨日のこと再現してやろうか」

アスランはニヤリと笑いカガリをベットに寝かせ覆いかぶさる。

カガリは顔を真っ赤にしてアスランを思いっきり殴った

「わっ、ちょっカガリ!」

どうやらからかい過ぎたようだ。

「ア〜スラン!!」

カガリの声は廊下にも響いていた。

--------

廊下を歩いていたキラとラクス

「あらAうまくいったようですわね」

「そりゃぁ、いくらヘタレなアスランでも流石に酔い潰れたカガリには勝てるでしょ」

「まったくですわ、これで何もなかったら、本当に救いようがないヘタレですわね」

「このお礼、しっかりしてもらわなくっちゃね」

二人はクスクスと笑いながら自分の部屋に帰っていった。

アスランが救いようがないヘタレであったことも知らずに…


→後書き
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