短編novel
□GAME
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―GAME―
「あっあー、暇だな〜。」
床にゴロンと仰向けに寝っころがり叫ぶアウル。
最近これといって戦闘もない。
だかネオはなんだか急がしそうで構ってくれないし、仲間のステラはずっとボーっと窓から外見てる。
スティングと話すのはなんだかもうあきた。
「なー、ゲームしようぜ!」
ゴロンっと仰向けから俯せになり床に肘をつき頭を支えてすぐ近くで座っていたスティングに話しかける。
「ゲーム?」
「そっ、負けた奴バツゲームにネオの仮面盗んでかぶんの!ステラもやろーぜ!」
「うん、ステラもやる。」
窓の外を見ていたステラは嬉しそうな顔でアウルの方へ振り向く。
「っで、ゲームって何やるんだ?」
「やっぱり、トランプでしょ!」
何処からともなくトランプを取り出しスティングに配れと言わんばかりに渡す。
トランプを受け取ったスティングは色々あるトランプゲームの中の何をやるのかと訪ねると、アウルはなんでもいいのかステラに何が遣りたいか聞く。
「ステラ、ババヌキがいい!」
「はいはい、ババヌキな」
スティングが慣れた手つきできり素早く配っていくトランプを見ながらステラはワクワクと楽しんでいた。
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三人はどんどんゲームを進めていった。
アウルがステラのカードをとり、ステラがスティングの、そしてスティングがアウルのトランプをひいていった。
勝負は大詰め。
ステラとスティングは残り二枚、そしてアウルは残り一枚となっていた。
次にステラから同じカードを取ったら自分の勝ちだと勝った気分でトランプをステラのトランプから引くアウル。
すると勝利に満ちていた顔はトランプを見た途端(げっ)っと顔が歪む。
アウルはJOCUSを引き当ててしまったのだ。
ステラは何事もなかったかのようにボーカーフェイス。
ジョーカをスティングに回さないと負けてしまう!
ドキマギしながらスティングにカードを引かせる。
スティングがジョーカに手をかける。
良し!っと勝利を確信したとき、何故かスティングは手をかけていたジョーカをやめて隣のカードを引いたのだ。
それもそのはず、スティングがジョーカに手をかけて勝利を感じたあまりの嬉しさにアウルはにやけてしまっていたのである。
今まで深刻な顔だったので余計に怪しい。
そんな怪しいカードを引くはずもなく隣を選んだのだ。
その後、スティングとステラはほぼ同時に手元からトランプがなくなった。
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「あー、くそー!」
悔しそうに叫ぶ、アウル。
そんな彼に、バツゲーム遂行を迫るのはスティングだった。
「ヤダよ、親父くさいのうつるつーの!」
「自分でいったんだろ」
的確なスティングの突っ込み。
確かにそうだが、自分でバツゲームする気なんて毛頭なかった。
どちらかが仮面かぶるのを見て馬鹿笑いしてやるつもりだった。
だが、まさか自分がやるなんて…
「ステラも、アウルの仮面、見たい」
じっと見つめてくるステラ。
(うっ、)
ステラの可愛さに仕方なく、アウルは
「今回だけだかんな!」
とバツゲームをすることにした。
次にバツゲームになったらやらないつもりかとスティングは内心思いながらもあえてツッコムのをやめた。
ツッコんだら色々うるさいうえに本当に次のバツゲームを受けなくなりそうだからだ。