短編novel
□星に願いを
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満天の星空の下のデッキでボーと空を見上げる髪の蒼い少年がいた。
―星に願いを―
「キレイな星空ですね。」
少年に話しかける緑色のくせっ毛が目立つ少年
「ニコル」
急に話し掛けられたことに蒼い髪の少年が翠の大きな目を更に大きくして驚いた。
「眠れないんですか?アスラン。」
ニコルは首を傾げながら優しい声で蒼い髪の少年、アスランに訪ねる。
「あー、まーな」
困った様な苦笑いでのアスランの返答。そんなアスランの心がわかっているのかいないのかニコルは優しく笑い
「僕もです。」
と同意するとフッと上を見上げ星を指す
「あっ、見てください!流れ星ですよ!
知っていますか、アスラン?地球の東のある国では流れ星が流れているときに三回願いごとをいえたらその願いがかなうって言われているんですよ。」
「それマジで信じてるのかよ、お前」
二人の少年がニコルのおとぎ話のような話しを聞き嘲笑うように話しかけてきた
「フンッ、馬鹿馬鹿しい。そんなありえもしないおとぎ話の話しをしてる暇があったらさっさと眠れっ!この馬鹿ものどもが!」
「ディアッカ!イザーク!」
何処からともなく現れた二人に驚くアスラン。
「やってみないとわかりませんよ!!そうだ!みんなで試して見ましょうよ!」
自分が信じ、そうであったら良いと思っていたことを馬鹿にされ、ムッとしたニコルは試して見ることを進める、しかし勿論そんなこと有り得るはずがないと思っている二人には言うだけ無駄で。
「誰がそんなことをするか!
そんなことより、貴様ら、さっさと眠れっ!明日も戦闘なんだぞ!」
とイザークに又怒られてしまった。
もともと一人で考え事をしていたアスランにとってはこんなに人が集まってしまっては考えることも出来ず目的も失くなっていたので
「あー、わかっている、もう寝るよ。」
と、あっさり了解。多分彼はこの雰囲気をなんとかしたかったのではないだろうか。
「さぁて、俺達もはやく部屋へ戻ろうぜ。
お前らも早く戻れよ。」
と再度ディアッカより部屋に帰って眠る様に促される。
「あー、わかた。俺達も戻るよ。行こう、ニコル。」
とニコルを誘い立ち上がったアスラン
「あっ、待ってください。」
と彼を引き止め、流れ星に向かい
…無事戦争が終わりますように
と三度唱えるニコル
「ニコル…」
戦争の早期終結。誰もが望む願い。それを星に願う彼の姿を見てアスランは戦争の終結を改めて願った
「願うまでもない。そんなもの、自分で勝ち取ってみせる。」
星にまで縋る仲間の今の状況を悔しそうに歯を食いしばるりながらイザークが己に言い聞かせるながら答える。
「そうですよね…。さぁ、戻りましょう。」
ニコルは苦笑いを浮かべアスラン達と共に部屋へ向かおうとデッキの出口を目指す。
「…あー。そうだな。戻ろう。」
アスランは明日からの決意を込めてか力強く返事をする
皆がデッキを出ると一番最後に出ようとしたニコルはクルリと頭だけ反転させ
(…どうかずっとこのまま、四人でいられますように)
と心の中で流れ星に願った。
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その数日後
アスラン、危ない!
ニコル?!
アスラン…、逃げて…
ニコル−−−−−−!!
ニコルはアスランの悩みの種であった彼の親友であるキラとの戦いの中、アスランを庇おうとしてキラに殺された。
ニコルの流れ星への願いは叶わなかった。
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