長編novel
□atheling -shin-
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真っ直ぐな真紅の瞳に映される・・・
それは、本当のお前たちなのか?
俺はお前たちを・・・
お前を・・・・
信じてる
atheling -shin-
ヒビキ国から自分の城に戻ったアスランの横には彼の婚約者であるラクスの姿があった。
「おかえりなさい、アスラン様。ラクス様も、ご無事でなによりです。」
最初に彼らの元に向かったのはアスランお付きのメイドであった。
「ありがとうございます。ラクス様の迎えを頼んでください。俺は父上の元に報告に行ってきます。彼女を頼みました。」
「畏まりました。ラクス様こちらに…お茶をご用意いたします。」
ニコリと微笑みラクスをエスコートする。
そんな彼女は先程までアスランのことが心配でいてもたってもいられなかった。だが、淡々とした挨拶で何事もなかったかのようにアスランを迎え入れる。
さすがはアスランお付きのメイドといった所か…
そんなしっかりとしたメイドとは反対にどこか心配な執事が…
「あっ!アスランさん!今、戻られたのでありますか?」
執事といってもまだまだ新米であどけなさが残る16の少年。執事は主人であるアスランが帰って来たのを見てパタパタと走って近づいていった。
「こら、シン!廊下は走らないの!それになんです!ほら、しっかりとネクタイなさい!」
先輩であるメイドに怒られたシンはムスッとした表情を見せながらもだらしなく緩んでいたネクタイをキュッとあげた。
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