短編novel
□valentine
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カガリはその場に立ち尽くした。
「カガリ?」
ビクリとカガリの体が小さく跳ねる。
静かな玄関に響く声。
間違いなく
カガリがチョコレートを渡すはずだった…
「アスラン…」
「どうしたんだ?」
カガリに歩み寄るアスラン。
「あの……なんでもない!」
あまりにも急で言い訳も思い付かずハニーブラウンの瞳を潤ませながらアスランに笑いかける。
「…?」
アスランのグリーンの瞳は真っ直ぐにカガリを見つめていた。すべてを見透かす様な澄んだ瞳。
カガリは段々とアスランの瞳から目を離していく。
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