短編novel

□GAME
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自分達の部屋に帰るとスティングはアウルに
「まー、なにはともあれ仮面借りれたんだ。被れよアウル。」
と進めた。
しかし、アウルは頬をプクリと膨らませ
「いやだよ、僕。」
と拒んできた。
さっきまで被るといっていた癖に本当気分家の奴だ。
スティングは小さくため息をもらした。
「アウル・・・・仮面・・しないの?」
ステラは首を傾げてたずねる。
「そう、もう終わり!僕、仮面なんて被んないからね!」
それを聞いたステラのピンクの目が潤んだ。
「ステラ・・・頑張ったのに・・・」
アウルはビクリとする。
流石のアウルも泣かれると困るようだ。
スティングはまたため息を漏らし
「ほら、アウルかぶってやれよ」
とかぶるように言う。
「わっ、わかったよ・・・」
アウルはステラの涙の前に降りた。
ステラの瞳からは涙が止まりふわりと笑った。

アウルはたじたじ仮面を被った。
が、顔を上げるのが嫌だった。
笑われるのが嫌だし、何よりダサいと感じたからである。
しかし、かえってきたのは笑い声ではなくステラの歓声であった。
「アウル!かわいいvv」

それを聞きアウルの顔は真っ赤になった。
ステラの無邪気な顔がとてもかわいかったのもあるが、なにより今まで拒んできた自分がおろかだったと心から感じたからである。

「アウル、ネオみたいv」

ステラは何気なく言った言葉だがそれを聞き一気に仮面を外した。
(ネオって、僕があのエロ親父と一緒かよ!)

「アウル・・・もうお終い?」
「そう、お終い!!罰ゲーム終わり!!」
アウルがイライラしながら言っているのにステラはお構いなしに
「楽しかったね、またやろう、ね。」
「そうだな、ステラ」
罰ゲームのなかった二人にとっては確かに楽しかったかも知れない。
だが自分は全然楽しくなかったイライラしながらステラの顔を見る。
その顔は本当に楽しかったというようにニッコリと微笑んでいた。
その顔を見たアウルはまたやってもいいかなっと思った。
(でも、今度こそ僕が勝つ!)
と決意を胸にした。


〜FIN〜


→あとがき
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