紳士の妹だからって淑女とは限らない
□一話
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「会長! この書類にサインして下さい!!」
そう言って私に頭を下げてきたのは私より年上の少年
いくら、私が生徒会長だからって
年下に頭は下げなくても良いと思う
『分かりました。』
「ありがとうございます」
『あ、私の方が年下なんですから敬語は使わないで下さい』
「でも……」
『じゃあ――――生徒会長の命令です』
「はい! じゃなかった、おぉ!!」
「柳生さんって会長なのに偉そうにしてなくて
いいよな」
「それに、可愛いし」
聞こえてますよ……
聞こえないフリしとくか……
「柳生」
『何ですか? 柳先輩?』
「お前に会いたいと言っている奴が居る」
『誰です?』
「龍壱だ」
『そうですか…… 追い返して貰っても問題ありません』
とても良い笑顔で言う祐歌
「(今、寒気が……)だ、だが……」
『良いんですよ^^』
「お前、酷くね?」
何時の間にか祐歌の後ろに居る龍壱
『何で此処に居るんですか? 泉水さん』
「つれねぇな…… お前に書類渡しに来たんだよ。」
『? 体育委員会の?』
「違う、部活のだ」
『じゃあ、柳先輩に任せます』
「何故だ?」
『テニス部でしたよね? テニス部の事なら先輩の方が詳しいと思いますので』
「そうだな…… では俺がやっておこう」
「じゃあ、俺はこれで」
教室に戻ろうとする龍壱
「待て龍壱」
「はい? 何ス――――グエ」
龍壱が蛙が潰れた様な声を出した
理由は柳先輩が龍壱の襟首を掴んでいるから
「お前も手伝え」
「……分かりましたよ……」
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