Cinderella
□教えて
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「これお願いします。」
編集長に原稿のチェックをしてもらう。
「よしっ。よくできてる、これでいいぞ。」
今回私は、15ページに及ぶ特集を任せられた。こんなに大きな仕事をもらえるのは初めてで、嬉しくて、寝るまも惜しんで記事を作った。
頑張ったかいあって今は達成感でいっぱいだ。
でも、仕事が忙しくてもう1週間以上遼一さんに会ってない。
会いたいなぁ。でも遼一さんも忙しいよね、新作考えるって言ってたし。声だけでも聞きたいなぁ。
携帯を取りだし、画面の中の彼の名前を見つめる。
でもボタンを押すことはできずに携帯をしまう……。
すると聞き慣れたメロディーが流れる。
遼一さんだっ!
嬉しくて、急いででる。
「もしもし!!」
「嬉しそうにでるね〜。それにしてもでるの早かったな。そんなに俺の声聞きたかった?」
いつもと変わらない彼の様子に、更に嬉しくなって素直に答える。
「はいっ!遼一さんの声聞きたかったです。」
「……今日はやったら素直じゃないの。」
電話の向こうの声が少し照れているのがわかる。
ちょっとストレート過ぎたかな?
「だってずっと会えなくて寂しかったですから。」
「ふ〜ん。じゃあ今から俺の家来いよ。」
「はいっ!」
勢いで返事をしたけど、いくら仕事が一段落ついたからと言っても今はまだ午前中。勤務時間はまだまだある……。
「……えっ!今からですか!?それはちょっと。」
「俺にすぐ会いたくないの?」
「それはそうですけど、今まだ勤務時間ですから」
「大丈夫だから。すぐ来いよ、待ってるから」
プツン ツー
切れちゃったよ……。どうしよう。でも遼一さん大丈夫って言ってたけど、どういう意味かな?