短 編

□恥ずかしがる表情が、
1ページ/1ページ



「ひーめーちゃんっ!」


聞こえてきたのはこの学校に不釣り合いなくらい明るい声

それが雪姫だって気付くのにそう時間はかからねぇ


「お前、その格好…」

「どう?似合う、かな?」


雪姫が着ていたのはあろうことかメイド服

ここには今お前しか女がいねぇことわかってんのか、ってほど無防備極まりない

まぁ俺の女と知って手を出すヤツなんざほとんどいやしねぇがこっちに身にもなってほしいもんだ


「どっから手に入れたんだ、それ」

「夏目君がね、これ着て姫ちゃんのとこ行ってみなよって言ったから!」


夏目の野郎……まぁ今回は許す


「雪姫こっちこい」

「うん!」


ちょいちょいと手招きすれば笑顔で駆け寄ってくる

それをソファから立ち上がり抱きとめる


「似合ってるぜ、雪姫」

「へへ、ありがと」

「でもそれ着るのは俺の家だけにしろ」

「なんで?」

「ほんっと頭悪ぃなお前…」


これだからド天然は困る

可愛いから許すが…


「お前の可愛い姿を見るのは俺だけで十分だっつってんだよ。わかりやがれ!」

「わかりました、えと…ご主人さま?」


小首かしげて俺を見上げる

何がご主人さまだ!

もう我慢できねぇ


「おい、キスしろ」

「え?なに、急に…ここ学校だよ?」


学校でんな格好してる奴が言うセリフか!?


「メイドなんだろ?」

「うん、今日は姫ちゃんのメイドさんだよ?」

「だったら俺の言うことなんでも聞いてくれるんだろ?」


顔を真っ赤にして少しの間悩む

それもそうか

雪姫からしたことないしな…


「…1回だけだからね?」


その言葉の直後本当に唇が触れるだけのキス


「姫ちゃん?」


固まる俺を見上げる大きな瞳

堪らなく愛しくて無言で抱きしめれば腕の中で暴れやがる


「大人しくしろ」

「だって姫ちゃんが急にぎゅってするから〜」

「うるせぇ。黙って抱きしめられとけ」

「うん」


大人しくなった雪姫


「あ、姫ちゃん姫ちゃん!」


急に何か思い出したように俺を呼んだ


「んだよ」

「あのね!大好き!」


また突然そんなことを言い出しやがって…

俺をどうしたいんだこいつは…


「俺は愛してるぜ、雪姫」

「姫ちゃん…耳はダメだよ〜///」

「っるせぇ、仕返しだ」



恥ずかしがる表情が、
((可愛過ぎんだよ、バカが…))
(なんか言った?)
(気のせいだ)



20110919
 ちゅーするのにリーゼントが邪魔だとか気にしない←
 後きっと身長的に届くのか?

 関係ないけどアニメのメイドの話見て姫ちゃんに着せたいとか思ったのは内緒←おい!
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ