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□碧い月
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背中に敷布の感触。
月明りが、子龍殿の綺麗な顔に影を刻む。
「こうしたいんだろう?」
寝衣の合わせをまさぐられて、慌ててその手を掴んだ。
「違います!!わ、私は真面目に…っ」
「籍を入れたい?」
「子龍殿の馬鹿ぁ!!」
顎に必殺軍師鉄拳を入れてようやっと身体の下から抜け出て。
「すまない、少々悪ふざけが過ぎたよ」
「私も…ごめんなさい…痛かったでしょう?」
赤く痕の残る顎に、無意識の内に口付けてしまった。
瞬間、子龍殿の唇がいやらしく歪んだのを私は見逃していない。
「で、どう私と一つになりたいと?」
腰に回ってきた手に制裁を加えたいところだが、今回は特別気にしないことにして。
「…貴方に食べられたいのです」
「………………伯言、それはeatという意味でいいんだよな?間違ってもse「そうですeatです」
この人は、全身肝じゃなくて全身性欲なんじゃないだろうか?
「……もしかしたら、明日には呉と蜀の同盟が破棄されるかもしれない。そうすれば、蜀に使者として来ている私は殺されるでしょう。そうでなくとも、次の戦で私は死ぬかもしれない。」
一つ呼吸を置いて、視線を床に向けた。