bleach

□ねぇ、聞いて。
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「グリムジョー、」


広い広い虚圏。
退屈で何もやることがなくて。


「グリムジョー、グーリームージョー、」


だからそんな時、私は貴方を呼んでみるの。


「あれ?いないのかな。…グリムジョーさんー。」


貴方はいつも私を睨み付けて。
まるで懐かない猫みたい。
すぐに牙と鋭い爪を見せて脅してくるの。
それでいつも一言。


「グリムジョー…、グリムジョー!グーリー…」
「うるせェっっ!!!」


すごい霊圧で怒鳴る。
でもね。


「見つけた。」
「お前、勝手にうろちょろすんなって言われたろ。」
「暇、だったんです。」
「殺されても文句言えねェぞ。」
「…この前死んじゃうかと思った。」
「……俺はそれを知ったウルキオラに殺されるかと思ったけどな。」


でも、


「ちょっと探検しようかと思って、」
「馬鹿か。黙れ。」
「…わっ、」


でも、結局はいつも私に最後まで付き合ってくれる。


「戻るぞ。」
「重くない?」
「阿保か。」


いつものように肩に担がれて。
いつものように部屋に戻される。
けどその腕が、声が、優しいと思ってしまうのは間違いなんだろうか。


「来てくれてありがと。」
「……面倒かけんな。鬱陶しい。」
「ごめんね。」
「分かってんなら大人しくしとけ。」


虚に心がない、なんて誰が言ったんだろう。


「グリムジョーはこんなにもあったかいのにね。」
「はァ?」
「何でもないよ。」
「…ごちゃごちゃ言ってると捨てて帰るぞ。」


その乱暴な言葉使いも、それに反して私を落とさないようにしっかりと支えてくれるその腕も。
全部全部が、


「ありがとね、グリムジョー。」


とっくに折れてしまってるだろう私の心も、貴方がいたから救われる。
ちゃんと真っ直ぐ立っていられる。


「…お前、もう黙れ。」
「毛繕いさせてね。」
「黙れ。」
「肉球触らせてね。」
「黙れ…。」
「あっ!ウルキオラさん!」
「 !!! 」
「…ウソでしたー。」
「殺すぞお前っ!!」


その何もかもが愛しいって言ったら、貴方は怒るかな。
ねぇ、グリムジョー?






    end




びっくりするぐらいにグリムジョーが織姫に振り回されてました。
どんなに頑張ってもかっこいいグリムジョーが書けなかっt
こんなにもキャラ崩壊させやすいのはジョーくらいなもんで…
織姫の行動にいつもひやひやしてたら可愛いのになぁ。


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