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□秋空の下
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空が青い。
晴れた空気のいい日は縁側で煙菅をふかすの政宗の楽しみだ。
庭の木々を眺めながら、広い空に白煙を吐き出す。
秋晴れの空を眺めながらの一服は非常に美味い。
そんな静かな昼下がり。
静寂は唐突に破られる。
「まさむねどのぉお!!!」
耳に痛いほど響く声と、大きな足音。
もう少し静かに出来ないのか、と政宗は溜息を漏らす。
何度か口うるさく言ってはみたものの、全く治りはしない。
「政宗殿、お会いしとうござりました。」
政宗の姿を前に、幸村は嬉しそうに声を弾ませる。
勢い余って抱きつこうとしてこられ、咄嗟に腹めがけて蹴りを入れる。
「がはっ!」
「Shit!…もうちょっとお行儀良く出来ねぇのか?幸村…」
「も、申し訳ござらぬ…ぐえっ。」
腹を押さえる幸村の背中を思いっきり踏んだ。
「ちーった反省しろよ。え?コラ。」
そのまま政宗は踵で背中をぐりぐりと踏みつけた。
「ま、政宗殿…」
「だいたい、お前は落ち着きが足りねぇんだよ。わかってんのか?」
更にぐりぐり。
「わ、わかったからもう許してくだされ。」
「AH−?馬鹿には躾が肝心なんだよ。」
そう言って更にぐりぐり。
「政宗殿ぉ…」
「黙れ。」
そう言って、も一つぐりぐり。
「あ…そんなにぐりぐりされては某…」
「なんだよ。」
「……股間が漲るでござる。」
「………」
硬直する政宗を見る幸村の顔は、なんだか嬉しそうだった。
「旦那…」
庭の木に潜んで様子を伺っていた佐助が、目頭を押さえていたことは誰も知らない。
■初めて書いたサナダテはとにかく変態度が高かった