浅い夢

チョコレート
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 2月13日。

 目前まで迫ったバレンタインデー。

 乙女は皆、そわそわしている。


「あああああもう。
 なっにがバレンタインよおお…」

 
 だが、1人は違った。
 名無しさんだ。


「皆お菓子業界にはめられちゃって…
 なんでチョコなんかあげなきゃなんないの?」

 誰も聞いていないのに、ぶつぶつ一人で文句を言っている。

 いつもの名無しさんなら、この季節他の子のようにそわそわしているのだが、



「お金が…ない……」



 そして深くため息をついた。

 今の名無しさんにはお金がない。
 単純なことだった。


 
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