浅い夢

□紫陽花
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「ねえ 名無しさん
 少し外に行ってみない?」


「…外?」


 名無しさんは目線を本からシャルナークにあわせた。

 今日の名無しさんは機嫌が悪い。
 雨でじめじめしているからだ。


「雨が降っているじゃない。
 こんな時期になんで外に行くの。」


「この時期だからだよ。」


 シャルナーク相変わらずニコニコとしながら名無しさんを見ている。

 名無しさんはそんなシャルナークを見て
 ため息をついた。


「貴方が何を考えているかわからないんだけど」
 
「君にはわからないかもね。」


 さらりと言われた。


「私、今日仕事があるの。
 
 それが終わったらね。」

「それじゃあ、朝になるのかな」


 「そうかもね」と名無しさんは言い残し
自分の部屋に移った。

 
  
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