浅い夢
□紫陽花
1ページ/5ページ
「ねえ 名無しさん
少し外に行ってみない?」
「…外?」
名無しさんは目線を本からシャルナークにあわせた。
今日の名無しさんは機嫌が悪い。
雨でじめじめしているからだ。
「雨が降っているじゃない。
こんな時期になんで外に行くの。」
「この時期だからだよ。」
シャルナーク相変わらずニコニコとしながら名無しさんを見ている。
名無しさんはそんなシャルナークを見て
ため息をついた。
「貴方が何を考えているかわからないんだけど」
「君にはわからないかもね。」
さらりと言われた。
「私、今日仕事があるの。
それが終わったらね。」
「それじゃあ、朝になるのかな」
「そうかもね」と名無しさんは言い残し
自分の部屋に移った。