浅い夢
□例えば
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例えばだよ、たとえば。
あるはずはないって分かってるよ。
だから、例えば、の話だからね。
「ね、わかった?」
「まだ何も話してないね… 何を分かればいい」
「例えばの話だからね 例えば、」
同じ言葉を連呼する。
最初はおとなしく聞いていたフェイタンも
これにはいらいらしてくる。
名無しさんはまた口を少しあけて話し始めた。
「例えば、フェイタンが死んだら。」
そういうとフェイタンは鼻で名無しさんのことを笑った。
「唐突に何言い出すね。」
「だから例えばの話。
フェイが死んだら、どうしてほしい
何してほしい?」
「そんなの死んでからじゃないと分からないよ。」