浅い夢
□占い
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「あぁ、なるほど」
相性は最悪
「なるほどじゃないわよー
あーあ…こんな本見なければよかったー」
「ばーか、ただの占いだろ?」
「そうなんだけどさあー」
両手でぎゅっとクッションを握り締め
口を尖らせながら言う
「でも、やっぱり嫌じゃない」
相性が最悪なんて、
とポツリと付け加える
こういう名無しさんを見ていると
自分より年上のはずの名無しさんが
幼く見える。
キルアは、そんな名無しさんを
見て口元が緩んだ
「…なに笑ってんの キルア」
じっと怪訝そうな表情で見てくる
普通ならさ、こんな時
「ばーか」って言うより
「相性が悪いはずないだろ?」
とか何とか言って甘い一言でも
言ってくれればいいのに
なんて一人で考えていると
よりいっそうキルアのことが恨めしくなった