文章１
□雨
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空から無数に落ちてくる雫が、傷だらけの俺を包んだ
赤や青に染まった体は所々腫れ上がり、軋むように痛んだ
「…………っ……。」
今回の仕事は、敵の大名に近づくこと…
仕事はかなりうまくいっていた
相手が男色家で、しかも相手を痛めつけることで欲情する変態だと解るまでは
「くそっ……！」
手首に残る縄の跡
腰に残る異物感
顔を思い出すだけで、殺意が沸いてきた
（まぁ、もう殺しちゃったんだけどね…。）
これ以上ないほどの苦痛を味あわせてやった
ワザと骸は醜い姿にしてやった
近づけないように周りに毒をまいてきた
変態には相応しいだろ？
（命乞いする姿…、笑えた………。）
俺は自然の池に近づき、着物を脱いだ
池に浸かり、雨を浴び、汚れを落とし体を冷やした
「あぁーーー、痛い…。」
上を見たら灰色に濁った空が広がっていた
雨は冷たい筈なのに、頬に熱い雫が落ちるのを感じた
((早く、早く旦那のところに帰りたい･･･。))