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□夜道での話
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「今日さ、ブレハ行かない?」
「最近できた店?」
「そ、あのデッカいの。」
そんな誘いに乗って、今私は幼なじみと共に道を歩いている
部活が終わってから店に向かっているから、道は真っ暗で、たまに車が通るくらいだった
「しかし、いきなりどうしたんだ?」
「うーん…何となく?」
「質問に質問でかえすな。」
「あはは…」
笑って誤魔化されているような気がしたが、あまり強く追求しなかった
コイツは昔からあまり自分の考えを教えるタチでは無かったし、私も追求するのは嫌いだった
「…………寒いね」
「…そう思うならスカート長くしろ。」
「それは無理かもぉ〜。」
「じゃー我慢しろ。」
そう言いながら、ホッカイロを渡した
「ぅえ?かすがちゃんは寒くないの?」
「大丈夫だ。」
そう言うと、そいつはニコリと笑ってホッカイロを受け取った
小さな声で「ありがと…」と聞こた
「かすがちゃんって王子様って感じだねぇ♪」
「なんだそれ…。」
「言葉のとーりの意味かな♪」
ニコニコ笑いながら話すソイツは、まるでお姫様だと思った
『笑えるだろ?四百年前、私達は汚れた闇の中で生きてきたんだぞ…』