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□テレビにいる偽物
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テレビに映ったアイドルがあまりにもあの人に似ていた
声はもっと穏やかだったが、少しだけ似てるような気がした
性格は、あんなに暑苦しくは無いようだ
「旦那なわけないよね…。」
いつの間にか俺は、心のどこかであの人じゃないかと期待をしてた
でも、違う
あの人の笑顔はそんなに柔らかくない
あの人の声はもっと暑苦しい
あの人の話し方はもっとストレート
あの人の動きはもっと大げさ
あの人の腕はそんな細くない
あの人の居場所はそこじゃない
考え出したらきりがないあの人のこと
旦那のこと…
「旦那…、真田様…、幸村様…、弁丸様…、源二郎様……。」
あふれ出てくるあの人の名前はテレビの音にかき消される
「…佐衛門之助様……。」
最後のあの人の名前は、少しだけ俺の名前に似ていた
今の名前はどうなんだろうなんて思う
「早く会いたいよ………旦那……。」
((1人になるとたえられなくなる))
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