拍手文まとめ

□拍手@アイチとガイヤール時々カトルナイツ
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アイチくんとガイヤール君の1コマ。

「ねぇ、ガイヤール君」

「なんでしょう、アイチさん」

「僕、主人公じゃなくなっちゃったよ……」

「……。そんなことありません」

「だって、オープニングだって櫂くんだし」

「次のオープニングはアイチさん一色になるに違いありません」

「ううん。それはいいんだ。いずれ僕にだって出番はあるだろうし……。
でも、なにより悲しいのは……」

「悲しいのは?」

「みんな、僕がいなくなった途端にイキイキしてない?
特に櫂くん」


「……………。……それは、僕には判断できかねます」

「嘘だよ!だってガイヤール君櫂くんと戦ったよね?!」

「アイチさん……」

「僕、しばらく出ないのに。あんまりだよ……」

「アイチさん!あなたには僕らカトルナイツがいます!」

「ガイヤール君……!」

「僕らだけはあなたのそばにずっといます」

「そうだね。ありがとう」

「アイチさん、その、モレスが作ったドーナツがあるんですが」

ガイヤールはどこからか紙に包んであるドーナツを取り出した。

「あ、モレスさんのドーナツ美味しいよね」

「はい。ラティがドーナツばかり食べるから。
あの、よろしかったら一緒に食べませんか」

「いいの?」

「はい。ラティもアイチさんならいいと言っていましたし」

「じゃあ、一緒に食べようか」

「はい!」

「やっぱり美味しいね」


「アイチさんは、好きなものとかありますか?」

「好きなものかあ。ヴァンガードかな」

「いえ、食べ物です。アイチさん」

「?!あっ。そうだよね。うーん。好きなもの……」

「言ってくださればなんでも用意します」


「……お母さんの作ったカレー」

「え」


「なーんてね!ごめん、あんまり思いつかないや」

一瞬の表情を隠すように取り繕うアイチに対して、ガイヤールは真顔だった。

「カレーですね」

「え、ガイヤール君?!」

一瞬寂しそうな表情をしたアイチのために、ガイヤールはさっそく行動を開始した。

一時間後。


「どうぞ、アイチさん」

「カレーだ……」

そこには、完璧なカレーライスがあった。

「その、母君のものには適わないかもしれませんが……」


「もしかして、ガイヤール君が?」


「アイチさんに、レトルトを食べさせるわけにはいきません」

「ありがとう」

一口食べてみると、とてもおいしかった。お母さんや、かつてみんなと合宿で作ったカレーとはまた違う味がした。

「すごく美味しいよ」

「よかったです」

「ガイヤールくんも一緒に食べよう。一人より二人のほうが美味しいと思うんだ」

合宿のとき、みんなでお腹いっぱいになるまで食べたカレー。あの時は本当にしゃべれなくなるくらいまで詰め込んだから、最後のほうなんて味がわからなかった。
でも、みんなで食べたから、不思議とすごくおいしくて、すごく楽しかった。

「喜んで、ご一緒させていただきます!」

そうして2人でわいわい食べていると、他のメンバーもやってきた。

「あー!アイチくん達がカレー食べてるー」

「なんだガイヤール。アイチ殿とドーナツ食べるんじゃなかったのか?」

「モレスがいないのに……ってことはガイヤールが?」


アイチは満面の笑みをみんなに向けた。

「みんなも、一緒に食べようよ」

その日は笑顔の絶えない食事になった。

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